亀田総合病院にて、腹腔鏡下膀胱腟瘻根治術、LSC(腹腔鏡下仙骨腟固定術)、TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)、TUL(経尿道的尿管結石砕石術)2件、RARP(ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術)2件が、行われました。


ロボット支援腎尿管全摘除術後の膀胱腟瘻の方は


腹腔鏡で膀胱と腟の間を剥離したところ

膀胱部分切除し尿管を摘除した部位が腟と瘻孔形成されておりました。

 1.前医の術中に腟壁損傷が無かったとのこと、2.瘻孔周囲の組織の状態や膀胱や腟の厚みなどからも熱損傷の可能性が最も高いと判断されます。

 今回は子宮がある方で膀胱周囲の脂肪がしっかりとしているため、膀胱と腟をそれぞれ縫合し、膀胱周囲の脂肪をフラップとして充填しました。


 「熱損傷」 

特にロボット支援手術で出血が起こると、ほぼ「熱止血」となります。


手術は「切る」「縫う」この二つが基本となりますが、エネルギーディバイス(熱)の発展で

「縫う技術」

がおろそかになる事が多くなってきている(泣)・・・


ロボットで「縫合による止血ができない!」のは、


いちいち

「ロボットアームを入れ替えなければならない」

(「切る」アームと「縫うアーム」を入れ替える)

事が原因と考えられます。


ロボット手術後の膀胱腟瘻を

最近立て続けに2例修復を行い

あらためて手術技術の継承がとても大事だと思いました。