歯科医院から毎年送ってくる「歯のクリーニングの時期のお知らせ」のハガキを無視すること、数年。
最近歯を磨くと歯茎から血が出るようになったんで、心を入れ替えてその歯科に行ったの。
そしたら、病院が跡形もないのよ。どこいったのかしら?
しかたないから、最近オープンしたばっかりで、開業祝いの胡蝶蘭がまだ飾ってあるピカピカの歯科医院に行ったの。
最近の歯科って外見はオシャレな建物なんだけど、中は幼稚園みたいよね。
いたるところにクマさんとか象さんのぬいぐるみがおいてあったわ。
私の隣の治療台にいた中年の男性なんて、膝にかけられていたブランケットがプーさんだったわよ。
ちょっと考えてやれよと思うわ。
アイメイクだけ気合入ってて、言動は無愛想な歯科助手にレントゲン撮られ(違法じゃね?)、口の中をいじられ(違法よね?)、やっとやって来た歯科医師が、これまた若いの。
一瞬「大丈夫ですか?」と聞きたくなったけど、その若造、慣れた手つきで歯周ポケットを計り、歯を掃除して、何故かいまいち自信なさげに私に言ったの。
「虫歯はありませんね」
その瞬間、いつの間にか後ろに立っていた貫禄たっぷりの医者(たぶん院長)が登場し、挨拶もそこそこに私の口をもう1回チェックし始めたのよ。
そうするやいなや、
「ここと、ここと、ここ!!どこ見てんの?ほら、ここも!!」
「えーとね、小さい虫歯が4本ありますね。神経抜くほどじゃないけど、治療はしておいた方がいいと思いますよ。」
…ですって。
あっさり若造の診断全否定よ。
なんとなく嫌な予感してたんだけど、やっぱりこの若造は研修医だったのね。
4本ある虫歯のうち1本も当てられなかったなんて…
…ってか、治療は院長よね?
肝心なこと聞くの忘れちゃったわよ!!!