ストーリー
江戸時代の東北の海坂藩。下級藩士の牧文四郎(市川染五郎)の父(緒形拳)は、藩の派閥抗争に巻き込まれ、冤罪によって切腹を命じられた。以後、文四郎は謀反をおこした父の子として数々の試練にさらされるが……。

んも~~~~~~~っ!!!!!!
よい!よい!よい!よい!!
見終わった後に「日本映画バンザ~イ」と、バンザイ三唱をしたくなるほど良い映画でした。
派手な演出や音楽なんて一切ありません。
そんなのが無くても2時間11分、役者達の細かな表情、無駄のない美しい所作、そして美しい映像と音楽を決して押しつける事なく「これでもか」と見せてくれます。
ずっと韓国映画ばかり見て来たからでしょうか、久しぶりに見た日本映画、それも時代劇を見て「ああ、やっぱり日本人の持つテンポって良いなぁ」と思った映画です。
見せ場は欅御殿でのシーン。
里村左内の罠だと知りつつもふくの為に御殿に向かい、ふくを安全な場所に送り届けるんだけど、無駄死にをした父の事もあってか、人を切る事にためらいがあった文四郎が、ふくを送り届けた後に里村左内に向かって、「死に行く者の気持ちがどんなものか思いしるがよい!」と、気迫で迫る時はもう泣けて泣けてしかたがなかった。

そしてもう一つの見せ場は、あの欅御殿での騒動から数年。殿が逝去して落飾して尼になる事を決めたふくが文四郎と生涯で最後の再会を果たすシーン。
たわいもない昔の話をしながら静かな時間を過ごし、そして、ふくが文四郎にありったけの思いをぶつけるかのように、「この指、おぼえておられますか」と問いかけるシーン・・・
それに応える文四郎。
この時にはもう館内はすすり泣きの声が・・・
テレビ版を見た母いわく、「ラスト10分は映画版の勝ち!」・・・だそうです。
もうDVD化されたら絶対買いますっ!!