前立腺癌 どこで治療する? | 泌尿器科のブログ

泌尿器科のブログ

ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。

治療法を相談する病院
前立腺生検を受けた病院がCT、MRI、骨シンチグラフィーといった検査ができるようなら、その病院で治療法まで考えてもらいます。
CT、MRIがない病院であれば、他の病院で治療法を考えてもらう必要がありますので、
主治医の医師がお勧めの病院へ紹介してもらいましょう。
CT、MRIは病期診断のために必須で、病期診断ができないと治療法を決められません。

CT、MRIがない病院でも非常に信頼できる医師で、そこで治療法を相談したい場合は、
CT、MRIを他病院に依頼するかたちになるので手間がかかりますが、それも悪くはないでしょう。

治療法決定に際して
十分な説明がない場合や説明がわかりにくい場合は、はっきり主治医に伝えて、
納得の行くまで説明してもらいましょう。
ただし、大きな病院では外来患者数も多く十分に時間を割いてもらえないこともあるかもしれません。
あらかじめ要点を整理して質問したほうがお互いのためになると思います。

治療法の説明が納得の行くものであれば、そのままその病院で治療してもらうのが良いでしょう。
説明が納得できなかったり、その病院で行えない治療を希望する場合、セカンドオピニオンのための紹介状を書いてもらいます。
セカンドオピニオンの場合には、自分で次の病院を探さなければいけません。

治療してもらう病院
治療法を相談した病院で治療を受けることが最も一般的ですが、その病院では行っていない治療を希望する場合には、
遠慮せずにセカンドオピニオンを希望し紹介状を書いてもらいましょう。
治療してもらう病院を【がん診療連携拠点病院】 で検索して決めても良いのですが、
がん診療連携拠点病院には実力的に??な病院も含まれている気が、、、。

治療を希望する泌尿器科に癌治療認定医と泌尿器科腹腔鏡手術認定医がいれば、まず安心して任せて良いでしょう。
癌治療認定医はペーパー試験なので手術の質は担保されませんが、認定医をもっておきたいとする意欲のある医師に治療を任せたいものです。
腹腔鏡手術認定医とは自分で行なった手術をビデオで審査して認定してもらうもので、合格率は6割程度。
安全に手術を遂行する能力がないと合格できないのです。
手術するしないは別として、この2つの資格の有無は参考になると思います。

放射線施設。
放射線治療も手術と一緒で治療機器と放射線治療専門医の力量で治療成績が全く違ってきます。
IMRTやVMATという方法が最新の治療法です。


まとめ
米国であれば泌尿器科医師は手術ばかり、放射能科医師は放射線治療ばかり勧めてきますが、
日本の泌尿器科医師は、全ての治療方法(手術、放射能、他)の中から最も最適な治療法の選択肢を提示してくれると思います。
治療を希望する泌尿器科に癌治療認定医と泌尿器科腹腔鏡手術認定医がいれば、まず安心して任せて良いでしょう。