「睡眠中にみる夢のうち、自分で夢であると自覚しながら見ている夢のこと。夢の状況を自分の思い通りに変化させることができると語られる」とwikipediaでは定義されている。新年の「初夢」にちなんで、明晰夢について書いてみようと思っていたが、書くのが面倒くさくなってきて途中で放置し、松が明けて小正月も過ぎてしまった(笑)。新年早々から、説明が難しいテーマを選ぶんじゃなかったな。
明晰夢については小学生の頃から独自に研究を開始して30年以上になるので、20代の頃には明晰夢を見ようと思えば、毎日のように自由に見られるまでになった。結婚して子どもが出来てからは、子どもと一緒に寝ていることもあって以前ほど睡眠に集中できないため、なかなか自由には見られなくなっている。一人で静かな部屋に寝ていないと、なかなか見られん。それでも、寝る前に強く意識して寝れば、10日に一回位は見ることができる。明晰夢を見たことがない人には「何言ってんだこいつ。頭湧いてんじゃねーの」とか思われるだけなので、「明晰夢なんてない」と思う人は読むだけ時間の無駄だと思うのでスルーしてほしい。
俺が見ている「明晰夢」は、夢の中で自由に動くことができ、制約はあるものの場面設定も登場人物もある程度思い通りとなり、夢だと分かっているので、訓練次第では常識ではありえないような無茶苦茶なことができる。はっきり言って、とても楽しく、映画「トータル・リコール」を彷彿とさせる世界観がある。
夢の中で夢だと分かった上で体を動かして物を触ると、全ての物に触感を感じる。夢の中で見えている世界の全ては細部までリアルで、現実世界との違いが分からない。聴覚もあり、物音や音楽も聞くことができる。夢の中で口にした食べ物のにおいや味まで分かるが、俺の場合、味やにおいは鍛錬不足で非常に薄い。無理な場面展開をすると目が覚めてしまうこともあるが、夢の流れに沿っていたり、常識の範囲で行動する分には目が覚めない。重力に支配されているという思い込みを排除して空を飛ぶことは非常に難しく、夢の中である程度、自由に空を飛ぶことができるようになるまで20年ほどかかった。体験したことのない感覚は、夢の中でも簡単には体験できない。
明晰夢を意識して見るためには、慣れるしかないと思う。入眠時に頭の中で比較的自由に「夢」のようなものを見る人もあると思うが、それは、ただ映像を頭の中で再生しているだけであって、夢ですらない。夢は急速眼球運動を伴わないノンレム睡眠中にも見られるというが、明晰夢が見られるのは経験上、急速眼球運動があるレム睡眠状態にある時間帯に限られると思う。明晰夢を見たことがないという人は、早朝に起きて、「明晰夢を見よう」と強く心に思いながら二度寝することで、比較的簡単に見られると思うので、ぜひ、挑戦してみてほしい。
明晰夢と普通の夢の違いは、夢だと分かった上で、夢の中で自由に体を動かせるかどうかだけだと思うが、なかなか奥が深い。夢の中で現実的な身体感覚を味わうことは、多分、誰でも毎日、レム睡眠中に起きている現象だと思う。起きると忘れてしまうだけで。レム睡眠中に見られる「急速眼球運動」は夢の中で何かを見るために目を動かしているだけだと思う。なぜここまで眼球が速く動くのかと言えば、頭の中だけで展開する夢の中の時間は現実の時間よりも数倍早く流れている。30分程度の睡眠で6時間程度の明晰夢体験が出来ることもある。
レム睡眠中は「外見的には寝ているが、脳は覚醒状態にあり、逆説睡眠とも呼ばれている」「ヒトでは新生児期に多く睡眠時間のおよそ半分を占めるが、加齢に従って徐々に減少し、小児期で 20%、大人ではの睡眠時間の約 15% になる」(wikipediaから)といわれている。よく「レム睡眠中は体を休めるため、全身の骨格筋は緊張が低下して体が動かせなくなる」との主張も聞かれるが、これは、多分間違いだと思う。
通常は体が動かなくなるレム睡眠中にも口と眼球だけは夢に連動して動いてしまうため、レム睡眠中の脳の覚醒は、人間の身体能力を超えており、この脳の処理スピードに対応できる、人が自分の意思で自由に動かすことのできる体内の器官が口と眼球しかない、ということではないかと思う。夢の中で力を込めたり何かを食べる、話したりする時に発生する「歯ぎしり」なんかは、急速眼球運動と同じく起きている時に再現するのも難しいため、人間は口と目だけが脳と同程度に進化しているためレム睡眠中でも動かすことができるんだと思う。
人間の身体能力は脳の処理速度に適していないため、「人間は脳の10%程度しか使っていない」という俗説は、「起きている時」に限ればその通りだと言えるかもしれない。仮に日常生活で使っている脳が10%だとした場合、レム睡眠中にはそれ以上に使っているのは間違いない。逆に日常生活で10%を超える脳が使える人は、天才になるかと言えば、そうはならないのでは。脳の処理速度に体はついていけないわけだから、日常生活に困難が生じて「障害者」や「自閉症」と呼ばれることになると思う。壊れたロボットに乗った優秀なパイロットのようなもので、人の数倍の速度で脳内を流れていく思考に言葉が追い付かず、人間の身体能力の限界から体を思うように動かせないため、もどかしい気持ちを常に持つことになる。
カナータイプの自閉症者や知的障害が指摘されるサヴァン症候群の人の一部は、健常者より劣っているのではなく、「脳の処理速度が早すぎるのが障害になっている」のではないか。ロッキングや飛び跳ねるなど小刻みに反復する常動運動は体を思うように動かすことができることを確認し、心を安定させる効果もあると俺は思っている。これから何年先になるか分からないが、脳に電極を刺してコンピューターを操作できるような、思考力だけで現実社会に影響を及ぼせる時代になったら、進化した人間としてもてはやされ、あらゆる歴史が書き換えられることになるかもしれない。
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