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時評・点描:水球ジュニア、強化に光明=鈴木大地

毎日新聞 2013年12月28日 東京朝刊
 年内最後の日本水泳連盟行事は水球の全日本ユース選手権(通称桃太郎カップ)だ。この大会は総務省の地域活性化プロジェクトの一つとして岡山県倉敷市で始まり6年目。第10回大会までは同省の支援が受けられることになっている。出場は予選を勝ち抜いた男女それぞれ16都道府県の代表チーム。対象は、中学生から高校1年生だ。
 活動拠点の多くが学校にある水球では中学卒業後、選手は水球が盛んな高校に進学する。高校1年まで同じチームで戦えるこうした大会の存在が、高校までは故郷に残って水球をしようという傾向を生んでいるという。対戦相手が必要な球技では、それぞれがレベルアップをはかることで、お互いが一段高い次元でプレーできるようになる。
 今年、水球の日本代表(ポセイドンジャパン)は欧州の強豪モンテネグロに勝利。米国とも互角の戦いを見せ、上昇気流に乗りかけている。今の日本代表メンバーのほとんどが小学校から競泳でなく、水球のトレーニングを積んできた選手たちだ。
 水連の原朗水球委員長は「やはり高校から始めた選手だと独特の感覚が育ちにくい。これまでは小さいころから水球をやってきたセンスの鋭い選手たちが仲間に遠慮しながらプレーしていて、その一瞬の間にチャンスを逸してしまうことが多かった」と言う。今は水球を同じ目線で見られる選手同士がプレーするので、これまでにないパス回しから速い展開が可能になってきたという。まずは泳力をつけ、高校から水球を始めればよいのではと思っていた私はどうやらかなり甘かったようだ。
 「この大会のおかげでジュニアの大会、ユース大会、高校生の大会とシニアまでつながるようになった」と原委員長。選手のモチベーションも下がらなくなったという。水球ができる環境が整い、選手層が厚くなるにつれて、クラブ組織で一貫指導するところも増えてきた。クラブチームと学校が一体となり、よいアイデアを出していけば、世界と互角に戦える日も近い。【順天堂大学教授】
 
毎日新聞webより。