5人の悪友たちはそれはそれは驚いたのである。
おそらくみんな同時に受け取ったメールに対し、彼女と一番個人的付き合いのあるわたしに連絡が殺到した。
「マジか?!」
「知ってた?」
「相手誰?」
正直に言うとわたしは知っていた。
彼女とは各月くらいで遊びに行っていたので、そのときに彼氏が出来たとかデートをしたとか、記念日が近いとか、そう言うノロケ話を聞かされていたのだった。ついでに指輪の下見も付き合ったし、新居の玄関に置きたいと言う謎のインテリアも見に行った。(彼氏と行けよという気持ちはけして嫉妬ではない)
ところがわたしは、彼女は悪友6人の中で一番結婚願望が薄いように思っていた。
彼氏を作ったこともなかったし(モテないわけではなく、理想が高かったのかもしれない)、自分にコンプレックスを持っているようだったので、女ひとりで生きていくための未来設計をリアルに考えている節があった。
わたしからすれば、とても可愛いしお洒落だし、彼女の勧めるてくれるものは何でも素敵でかっこよく見えたから、よく買い物に付き合ってもらった。
そんな彼女が結婚か・・・と思うと非常に驚いたのだ。
それ以前に、彼氏ができてからの彼女はみるみる今までにないくらいポジティブで明るくなり、まさか彼女の口からノロケ話を聞くことになろうとはと目を白黒させていたのである。
結婚とはそんなに人を変えてしまうのだろうか。今までの彼女が根暗だったとかネガティブだったとかそう言うわけではなく、彼氏と結婚することになった、その事実だけでとても輝いてみえたのだ。結婚とはそんなパワーがあるのか。しかし、
「Tちゃんが結婚するなんて、本当に驚きだよ」
正直に言ったわたしに、彼女はアラサー(当時)に言ってはいけない一言を言った。
「こう言うのは出会いだから、その内うり村ちゃんにもいい人があらわれるよ!」
その出会いがないんですけど?!
とは言っても、現実に結婚願望の薄かった彼女に素敵な旦那様があらわれたのだから、偶然の出会いで幸せを手に入れるラッキーガールも存在するんだなと不公平だが納得するしかない。
アラフォーの独身貴族。
それを満喫する生活を送ろうと心に決めたわたしであるが、結婚ということに興味がないわけではない。今まで多少のチャンスはあったような気がするのだが、それはわたしの意志に反して突然やってきて、タイミングが合わないまま過ぎ去っていった。
ではいつわたしの意志は結婚へと向かうのか。
このひとだと思える異性に出会うことなど、この先ありえるのだろうか。
つぶれかけの会社と家の往復だけの人生で、曲がり角を曲がったら突然運命の人が!などと夢物語もいいところである。
結局何の努力もしていないアラフォーには、いい出会いをするにもいい結婚をするにも世知辛い世の中なのだ。
だからわたしはその努力のベクトルを変え、自分の好きなように生きることにした。
もともと小心者で消極的、猜疑心のカタマリであるわたしのような人間は、自分から異性に声をかけることもなくアラフォーになった。つまりこの先もそうなのである。
だからと言って、悲観することは何もないし、チャンスがあれば結婚もする気持ちでいる。ただ、何がなんでも結婚しなくては!と言うのはわたしの人生ではちょっと違う気がするので、結婚しないならしない人生を楽しみたい。
おかげで親とも長く一緒に暮らせるし(親には迷惑かもしれない)、愛猫・うり子との生活も楽しい。
そして、世の中アラフォー独身貴族はわたしだけではないのだ。
もうすぐ12月になると忘年会とクリスマスシーズン。
とくにクリスマスなど街はカップルの巣窟と化すのだが、アラフォーは暇な女2人でそんな街をひやかしにクリスマスディナーに出かける予定だ。去年もそうだったが、カップルだらけのレストランで女ふたり、ちょっとおバカな話しで盛り上がる。とても愉快ではないか!
それでも少し、しょんもりする日があったら、この写真を見て心を落ち着けるのだった。なんだかどうでもいい気分になるし、クスッと笑える。
