前回の続き

マインドコントロールされかけた朝からも

シオモニと結婚指輪とか見に行かなければならず、

朝一からまたもや、シオモニと3人でお出かけ。


ジュニ君も私もそうだけど、シオモニも3日間朝から晩までお疲れでしょうに…


「お義母さま、今日は是非おうちで ごゆっくりお休み下さい♪」


と、声を掛けてあげられなかった わたしに後悔。


昼から例のハンボク(韓服)を買いに行って、
リッツカールトンに結婚式打ち合わせに。


その帰り道、結婚指輪と結納返しの時計を見に行くことになっていた。


結婚指輪は…私のデザインは既に決まっていて、

王道のエタニティリングかハーフダイヤにする予定だった。


だから何処のブランドでもあるんだけど、今回はお義母様を立てて、

お義母さまの友人がやっているという韓国ブランドで作ることに

既にわたしは腹をくくってた。


私たちはヒョンデ百貨店に行き、お義母さまのご友人のブランドで

エタニティリングのデザインの型番とサイズを見てきた。



ただ、ジュニ君の結婚指輪は、ただのプラチナリングだから

何処で買っても10万前後なのに、お義母様のところで更に安く買うのは可哀想。



ということで、ジュニ君の結婚指輪と結納返しを探しに新羅免税店に出かけた。


ジュニ君が好きなデザインがティファニーにあって、

作るデザインを決めた…

その時 ジュニ君がぼそっと、

「やっぱり、ウリエギの結婚指輪も同じブランドの方ががいいね。

さっき見たのより、ダイヤが小さくてもティファニーの方が綺麗だね。」



というと、お義母さまは やっぱり気分良くないようで…


「5000ドルあれば、お義母様のところで頼めば

 もっと大きいダイヤに、フルサークルで 色もランクを上げてあげるわよ。」



なんて、対抗してたんだけど…。

今回私は何も口出してないし、

ジュニ君が勝手に言ってるだけと 私は知らんぷりしてた。


正直私は、結婚指輪は毎日 身に付けるんだから 

ダイヤは大きくない方がしかも、フルよりもハーフの方がいいんだよね。


もう お義母さまを立てるって決めたから 私のは諦めたけど。。



で結局 結婚指輪は、免税店ティファニーにジュニ君の欲しかったデザインが

見つからず わたしは指輪を買ってあげられなかった。



仕方なく、そのまま時計コーナーへ見に行った。

ジュニ君への時計のプレゼント、パパがくれた予算は50万円。

ずっと欲しいのが見つからず、保留になってた。



ところが…免税店で。



ジュニ君がカッコいいって言ってた時計の値段を聞くと。。。


見るもの、見るもの…


8000ドル??


12000ドル!?!




桁が違う…。



時計に無知な私には、50万って十分な額だと思ってたんだよね。

なのに100万超えって普通なんだ!?

凡人のわたしには 理解が出来なかったわ…



とにかく 私はパパにこれ以上言えないし 

…どうしようって、悩んでた。


そしたら、シオモニ。

ごり押しするんだよね。

「ジュニの結婚指輪もウリエギと同じ所で頼めばいいから、

 指輪代も含めて、この時計を買ってあげなさい。」



そんな軽く言われたって、私のお金じゃないのよ!!!

さっきわたしの指輪は安い方がいいって言ってたじゃない。

やっぱ我が子は 別格なのね~~。



勝手に決断はできないし、私がしばらく悩んでいると、
ジュニ君は私に気を遣ってか…

「やっぱり高すぎたよね。もっと探してみるー。」

と、取り敢えずは免税店を出ることになった。


結局、散々見るだけみて、何一つ買わなかった。
(わたしの シャネルのファンデだけかったわ。)


そこから、シオモニなんだか機嫌がよろしくなかったんだ。


機嫌悪いながらも、私のお腹は心配してくれたけど。


そしてその足で、昨日打ち合わせしたインテリアのインチョンにあるofficeへ向かった。


昨日も かなりの口出しをされたんだけれども、
途中抜けてくれたお陰で助かった。


でも今日もすごいやられそうだな…。


officeに着いて、まず昨日の内容での見積もり。

床の素材やキッチンのビルトイン予定のものを省いて…

3500万ウォン。

当初の予定では2000万ウォンだったので、1500万ウォンオーバー。

でも明細を説明をされると、特別に無駄遣いしてるところもなかった。


ま、多少…日本スタイルに併せるために…
でもそれは全体からみるとごくわずかなものだった。


だけど、シオモニの攻撃は始まった。

・キッチンのシンク台、ガス台の位置は動かさないで。
・寝室に洗面台を作らないで。
・寝室に天蓋を作らないで。
・作りつけの家具は全て必要ない。



これ、全部私が望んだものなんだよね。
ていうか、キッチン以外は 今までお義母さまは文句言ってなかったんだけど。

インテリア設計の人が、そんなの大した出費にもならないし
私の場合、別途家具を買うよりも安く出来る。
モダン新しいデザインだから、やった方が最終的に高く売れる可能性もある。

と、シオモニのご友人の設計士さんが絶賛したのにも関わらず、
シオモニ一人でそこだけ反対運動を起してるんだよね。


結局その場ではラチがあかず、細かい事は家で話すことにし、

私が居る今時点で、決められるドアや天井や壁の色などを選んだ。


22時を回った真っ暗な帰り道、
翌月曜日から出勤のジュニ君を労わって、お義母さまの運転で帰った。


その車内で再び…

さっきの論争の続きが行われた。。

正直、かなり奮闘してる お義母さまとジュニ君。

早くて 何言ってるのか よく分からなくて、

でも ジュニ君の お義母さまへの 言い方もあまりにも凄かったから、

形だけ、何度かジュニ君の口をふさいでみたんだけどね。


決してわたしが言わせたワケじゃないよ。
わたしはジュニ君を止めたよ。


っていうアピールね。これ。


聞き取れた部分はここ。

「ウリエギがさっきジュニに時計を買わなかったように、

 お母さんだって出来ることと、出来ないことがあるのよ!

 家具を作っちゃったら、ウリエギは何買うのよ?」



あー。そういうこと。

お義母さまは、さっきジュニ君が70万の時計を欲しいって言ったのに

私が簡単に買ってあげなかった事に対して 機嫌悪くなったんだね。

だから徹底的に、リフォームで私にプラスになる部分だけ嫌だって言いだした訳だ。



だけどその車内、ジュニ君もすごい憤慨しちゃって

「ここまで決まって、イキナリ全部ダメって言い出すの??

 お母さんがそうやって文句ばっかりで引っ掻きまわすなら、

 もうリフォームも何にもしなくていい!

 ぜーんぶお母さんがやりたいようにやればいいじゃん。

 俺たちも直ぐ出て行くから。」


 
 「勝手にしなさい!!!」


なんてところまで いっちゃったんだよね…


あーヤバイヤバイ。
と思いつつも、なんだか もう、どうでも良くなってきた。


早くも、こんなに気性の荒い国に住む自信が無くなってきて、
車内でひそひそとジュニ君に、伝えた。

「ウリエギのせいで、ごめんね。

 もう全部どうでもいいや。

 お義母さまが望むようにしてもらおう。」



ジュニ君
「うりえぎは悪くないよ。

 お義母さんはウリエギに怒ってるんじゃないからね。

 今は準備で疲れちゃってるだけだから。

 気にしないでね。大きい声だしてごめんね。

 早く日本に住もうね。」



そっから、わたしは一人で沈黙。。

しょぼーん。ってしてた。



その言い合いから10分くらい経ったら、

お義母さまが全然違う話をし始めた。

そして、ジュニ君もいつも通りに話してる。



ぇぇ~?お義母様、さっきあんなにキレてたのに、何だったの??

ジュニ君も もういいの?普通に話しちゃうの???


一度喧嘩でもすれば、一生根に持つ程 ねちっこい わたしには
理解が出来ないほど 和やかに話し始めたお義母様とジュニ君。


日本人じゃあり得ないほど、大声で怒鳴りあったら

もうスッキリしちゃうのかしら…?


でも、お義母さま…ジュニ君には息子だから直ぐ機嫌が直っても、
本当はわたしのことで怒ってるんだもん。

わたしは やっぱり未だ怖くて 当分は会話が出来ないわ~。

と、生きた心地もしないまま帰宅。


車を止めて、後から家に入ってきたお義母様に、
ジュニ君は労わりの言葉を掛けてた。

「お母さん、今日はおつかれさま。」


お手洗いで寝る支度をしていた私は…

まだ さっき怒鳴ってたお義母さまを思い出すと

とても気まずくて、ジュニ君のように何事もなかったかのように無邪気に出て行って

今日はお疲れでしょう。ありがとうございました。
なんて言えなかった。


言いたくても、ジュニ君を通してでも

わたしの問題で 怒鳴られた事への恐怖で出て行くことも出来なかった。


そんな不出来な自分に、後々考えてもマイナス点だったなと反省。


わたしがそんな風に もじもじしている中、お義母さまは、

胃腸炎のわたしのために、朝作った重湯を温めて下さり

テーブルの上に置いて、寝てしまった。



さっきは怒ってたにしても、お義母さまもお疲れなのに

私の身体を心配してくれる。


なのに、怖くて挨拶もできなかった、わたし。可愛くない嫁だな。


なんて思って、その夜は凹んで ジュニ君の胸の中で号泣してしまった。


国際結婚することへの大変さ、結婚文化や家族間の違い、

気性の荒い韓国人への怖さ、心の温かさ、

私の両親にも、ジュニ君のご両親にも何もしてあげられない自分の未熟さ。



明日ジュニ君が 会社だけど、

シオモニともう少し上手く出来たらいいな。



そんな事を巡らせて、ひたすら泣いて眠りについた。


つづく。。