先月立て続けに、図書館で予約した本の順番が回ってきまして。
それも半年以上前とか、長いものは1年前のものとか!
なにもこんな年末の忙しい時に来なくても~~(ぐーたら主婦なんで気分だけだけど)
で、自分用備忘録として、簡単な感想をば。
『花の鎖』湊かなえ
これは、面白かったーーーー!!!
正直、湊かなえの小説ってあんまり好きじゃなくって。
特に、十代の子の設定が、毎回きつくて、
「みんなそんなに病んでるのかなー」って、読んでて胸が痛くなるの。
だけど、この小説は、その手の話じゃなかったの。
三人の女性の物語がオムニバス形式で進んでいくんだけど。
同じ商店街に住んでいて、同じ和菓子屋のきんつばが物語に絡んできて。
最初の主人公梨花は、祖母の手術代を援助してもらうため、
亡くなった母の元に毎年飾りきれないほどの花を贈ってくれていた「K」という人物を探し始める。
この「K」という人物は誰なのか?というのが、一番の謎なんだけど。
その謎が、解ける瞬間よりも・・
なんの関係も無いかのような三人の物語が、ひとつの鎖に繋がった瞬間!
それこそが、作者がこの物語に隠していた謎なの!
読みながら、思わず「そういうこと!!!!」って大声で叫んじゃんった(笑)
ある意味、この謎解きって、小説って媒体だから出来る技なんだと思ったわ。
と言っても、映像監督の知識ないからわからないけど(笑)
でも、小説だから、作者が書かなければ隠しておけること。
例えば、着てる服のデザイン。
商店街の風景。
家の玄関、間取り。
店主の顔。
そういうものをあえて描かない事によって、読者に気づかれない真実。
描かなくても伝わるし、それどころか、どんどん引き込まれてく感じ!
そして、謎に気付いた時、謎解きの為に、思わず相関図を自分でメモってみたり(笑)
こうやって、自分で考えたりしながら、先に進めるのも小説ならではだし。
久しぶりに、本当に一気に読んだ面白い本でした!!!
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『KAGEROU』 斎藤智裕
もう今更ですが(笑)
やっと読むことができましたー。
ヒロくんの処女小説。
一言で言うと・・・・
ヒロくんは、帰国子女で「日本語が苦手」だといつも言っていたんで
その割にがんばったねーってな感じ?(何様w)
自殺しようとしていた男が、臓器移植を斡旋している男に声を掛けられる。
それで、それを受諾して、手術するまでの話なんだけど。
日本語苦手のヒロくんにしては、分かりやすい文章でした。
だからと言って、面白いかどうかは、別の話・・・(笑)
ぶっちゃけ言うと、健くんのライバルであるヒロくんの小説は、
公平な目で読めないってのが、本音(笑)
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『つるかめ助産院』 小川糸
小川糸さんの小説を読むのは、「食堂かたつむり」から2冊目なんだけど
冒頭、主人公が、一緒に暮らしてた男にフラれるとこから話が始まり、
あ~またかーーーーーって感じでした。
で、主人公が、かたつむり同様、
「自分は世界で一番不幸なの。
だからみんな優しくしてよ!
わがまま言わせてよ!!」って態度なのよねー。
好きになれないわー。
こういう人、時々いるよね・・・。
食堂かたつむりの時は、その矛先が母親だったから、まだ親子の葛藤だと思って読めたけど。
今度は、捨て子だったという過去。
それでも、住み込みで働く事になった助産院で、
いろんな人たちと出会って、そこで働くスタッフ達の笑顔の裏には、
みんなそれぞれ悲しかったり、辛い壮絶な過去を抱いてることを知って
自分だけが辛い訳じゃないって、強くなる話。
他から見たら幸せに見える事でも、本人にとっては不幸なことだったり。
例えば、ネタバレになっちゃうけど、
産院の男性スタッフが、正月だから実家に帰ることになって
主人公が「いいね、帰る家があって」みたいなこと言って、男性スタッフを怒らせる。
彼には、実家に帰る事は、決して嬉しいことでは無いらしい。
相手の立場にならなきゃ分からない事って世の中たくさんあるよね。
ただ、小説として、この男性スタッフの親との事情とか、全く書かれないので
読んでるこっちは、どう解釈したらいいのか悩むけど(笑)
そんな感じで、終始ご都合主義で、物語が進んでいく・・・。
ラストなんて、まーーびっくりのとんでも展開・・・。
ある意味、すごいドンデン返し!(笑)
でも、舞台となった南の島の情景は、想像しただけでとても気持ち良さそうだし、
相変わらず、料理の描写は、美味しそうだし。
これも、映画化されそうね~~。
今度こそ、料理担当は、飯島奈美さんでお願いしたい!!
食堂かたつむりの料理は、ひどかったもんな~~~(´□`。)
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読書備忘録、まだまだつづくw