電車の優先席に座っているマダム。
色鮮やかなグリーンのゆったりしたラメ入りカットソー。
サイドにウエスタンを意識したような編み込みの入ったデニムに、ダイヤをあしらった色付きメガネ。
手には都内で買ったであろう新潟土産のチョコサンド。
60代半ばの女性。
(ここからは私の妄想です)
旦那さんと2人の生活。
息子は智恵子という嫁をもらい、家にも寄り付かず。
旦那は定年したにもかかわらず、外を出歩き、帰りは夕方。
周りの友達とお茶でもしたいが、孫がいる家庭を見るとついつい誘うのをためらう。
そんな彼女は、これから家に帰り、夕方帰ってくる旦那に言うだろう。
『今日友達が新潟土産をくれたの。一緒に食べない?』
この女の精一杯の見栄と努力が詰まった一言に、私は涙せずにはいられない。
