夏から、ずっと予約していた本が届きました
お伽話を事件にしたストーリーが、新鮮で面白い
そして、お伽話で辻褄が合わない場所が、きちんと辻褄が合う様な設定になっていてむしろこっちの方がリアリティがある話に感じる
そんなわけで、楽しみながら読みました
※ネタバレ有り
「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。」 青柳碧人
ガラスの靴の共犯者
赤ずきんは、憤慨していた。
ある魔女がその頭巾を可愛くしてあげると言うので、頭巾は良いから靴を変えて欲しいと言うと、靴の魔法は苦手な様で泥だらけの靴になってしまった。
赤ずきんは靴を洗いに川に行くと、そこで美女がシーツを洗っていた。
その美女シンデレラは、裸足だった。
シンデレラは自分の境遇を赤ずきんに話し、今夜義母と義姉は舞踏会に行くと言う。
そこに、先程の魔女が現れた。
魔法でドレスや馬車を用意して上げるから、行っておいでと。
ただし、魔法は夜の0時には溶けてしまうと。
しかし、魔女は靴にかける魔法だけはダメなので、そこに魔女の姪が現れた。
姪の嫁ぎ先はガラスの国で、シンデレラと赤ずきんにガラスの靴の魔法をかけた。
姪の魔法は、1週間は続くと言う。
舞踏会まで時間がないので、早速馬車でお城まで向かった。
が、道を馬車で走っている途中、人影が飛び込んで来て場所で轢いてしまった。
馬車で轢かれた男は、死んでいた。
これでは、舞踏会どころではない・・・
シンデレラ達は、死体を草むらの中に隠した。
そして舞踏会に出席した。
が、シンデレラが王子と良い感じになっていると、兵隊達が現れ死体を発見したと言う。
馬車で轢かれた後があるから、みんなの馬車を調べると言う。
血痕に関しては、人間に化けたねずみが洗い流してくれたし、0時になれば魔法が溶けて馬車はなくなり証拠があったとしても証拠隠滅出来る。
が、死んだ男は馬車に轢かれて死んだわけではないようだった。
一体、犯人は誰なのか・・・
甘い密室の崩壊
ヘンゼルとグレーテルの母親が死に、父親が子供達には母親が必要だと思い結婚した。
が、家計が厳しくなり継母は、子供を森の中に置き去りにして捨ててこようと提案した。
父親は、後妻の言うことに逆らえなかった。
ヘンゼルとグレーテルは森の中に置き去りにされた時、お菓子の家を発見した。
そこで魔女に捕まり、グレーテルは魔女を殺してなんとか脱出して家に戻った。
そして、ヘンゼルはあのお菓子の家を使って継母の殺害計画をひらめいた。
継母をお菓子の家に誘導し、上手く殺すことが出来た。
そんな時、旅の途中の赤ずきんがヘンゼルとグレーテルの家に来て今晩泊めて欲しいと言う。
ヘンゼルは、この女は使えると思って父親に泊めても良いんじゃないかと提案し、そして一緒に継母を探しに行くのを手伝ってもらおうと言った。
皆で継母を探しに行くと、そこにいはお菓子の家があった。
赤ずきんがお菓子の家のドアを開けると、そこには継母の死体が・・・
第一発見者は赤ずきんと言うことで上手く行きそうだと思ったが、森の中には常に森の安全を管理する狼がいて・・・
眠れる森の秘密たち
赤ずきんが旅の途中、車椅子の車輪が木の根っこに引っかかっているお爺さんがいたので、助けた。
そのお爺さんは、この国の政治家で国を治めているらしい。
この国には昔王様がいたのだが、ある日オーロラ姫が生まれると誕生会をするのに皆を呼んだが、悪い魔法使いだけは呼ばなかった。
悪い魔法使いはそのことに激怒し、オーロラ姫が16歳になったら死ぬ魔法をかけた。
が、良い魔法使い達はそれぞれに素敵な魔法をかけたが、まだ方をかけてない魔法使いが
「私はあの悪い魔法使い程力はありませんが、姫が死ぬのではなく100年の間眠りにつかせることなら出来ます」
と言って、魔法をかけた。
だが、100年後に目覚めてもオーロラ姫の知り合いは誰もいなく、王様やお妃様は心配だった。
そして、お妃様は妊娠しずらい身体でやっとオーロラ姫を産み、もう妊娠出来ない身体になり後から男の子を産むことが出来なかった。
大人になったオーロラ姫に男の子を産んでもらい孫を王様にしようと思ったが、100年眠りについてはそれも無理になる・・・
そして、王様とお妃様が亡くなった後は、政治家である自分がオーロラ姫が目覚めるまで国を守ると約束したのだ。
そんな話を、赤ずきんは食事を摂りながら聞いていた。
ある日、その政治家の老人の執事の息子が、殺人を犯したと言う話を聞いた。
老人は慌てふためいた。
本人も、自分は酔ってはいたが殺しはしていないと言う。
殺人があった夜は井戸に水を飲みい行きそこにカップルがいたから、そのカップルを見付けてくれれば証人になってくれるはずだと言うので、赤ずきん達はそのカップルを探した。
そして、別件で政治家が贔屓にしている人の家で、火事が起こった。
近所の人は、火事が起こったから火を消そうと手助けしようとしたのに、その人が止めたと言う。
この人達には、何やら色んな秘密がありそうだと、赤ずきんは思った・・・
少女よ、野望のマッチを灯せ
両親が亡くなり身寄りがなくなった少女は、遠い親戚の独身の男の家に預けられた。
男はマッチの工場の経営者で、少女にマッチを売ってこいと言った。
外は、雪の降る寒い日だった。
この男のマッチは、安いが3本に1本は火が着かないマッチだった。
マッチが全部売れるまで帰ってくるなと言われ、少女は必死でマッチを売るためある男性の服を掴み
「マッチはいりませんか」
と聞いた。
すると男性は
「汚い手で、触るな夢はタダだから、夢でも見てろ」
と、唾を吐きかけられた。
少女はショックで家の狭い間を歩いていると、家の窓から家族が仲良さそうにクリスマスを過ごしていた。
もし、両親が死んでなかったら、自分も今頃・・・
と思っていると、空から天使が下りて来た。
天使は、少女の手に不思議な力を与えた。
少女が手に触るマッチには、マッチをつけると火が燃えている間夢を見ることが出来ると言うマッチだ。
少女は、マッチに火をつけ夢を見た。
そして少女は、あの親戚の男を殺して自分が経営者になろうと工場を燃やした。
そして、少女は男の唯一の親戚と言うことで財産が渡り、マッチの工場の経営者になった。
以前よりも良いマッチを作り、さらにマッチに火をつけると夢を見させると言う品物を作った。
皆、夢中になってそのマッチを買った。
少女はどんどんお金持ちになり、凄腕の経営者になって行った。
ただ、この夢見るマッチに夢中になるため、飲食を忘れずっとマッチをこすり続けたり、働かない人も増えこのマッチに中毒性があると訴える者もいた。
そのマッチに夢中になり過ぎて、亡くなった者もいた。
でも、それは本人の心の弱さのせいだと少女は言った。
そして、赤ずきんのおばあさんも、このマッチ中毒のせいで亡くなったのだ。
赤ずきんの旅の目的は・・・
お伽話だけど、めっちゃドロドロしてるw
そして、バンバン推理をして解決していく赤ずきん
そして、1番衝撃を受けたのは、最後のマッチ売りの少女の話でした
赤ずきんの旅の目的が、まさかマッチ売りの少女を殺すのが目的だったなんて・・・
マッチ売りの少女のマッチには、見たい夢を見れる中毒性のあるマッチだ。
が、マッチ売りの少女は、それはその人の心が弱いからであって、自分の加減でやめることが出来ると反論する。
恵まれている人間程、そうやってケチをつけてくるとマッチ売りの少女は思った。
マッチ売りの少女は、両親がいない中親戚のおじさんに酷い扱いを受けながら寒い夜にマッチを売っていたのだ。
そこから、自分の実力でのし上がって来たのだ。
並大抵の努力じゃない。
なのに、自分の努力にケチをつけられている。
中毒性のあるマッチを、売っても良いか売っちゃダメか
マッチ売りの少女の言う様に、それは自分の加減で決めることだから売っても良いか
街の中でも、賛否が分かれましたね
マッチ売りの少女のマッチの売れ行きが良いため、マッチ売りの少女は街にたくさん寄付をして街が潤っているのも事実。
しかし、中毒性が酷いため、亡くなっている人や禁断症状を起こしている人がいるのも事実。
マッチは、売っても良いか売ってはダメか
あなたなら、どっちだと思いますか
うちは、麻薬と一緒なら売らない方が良いのかなぁと思ったけど、ツレは
ツレ「本人の意志の問題なんだから、別に売っても良いだろ」
との、答えでした
やはり、賛否ありそうな問題ですね
貧しいのも可哀想だけど、大金を手に入れると人が変わってしまうのもまた悲しいところ。
貧しい時代から伸し上がって来た人にとっては、最初から裕福な人には何も言われたくない気持ちも分かるけどね・・・
でも、一歩道を踏み外すと危険ね
マッチ売りの少女もだけど、赤ずきんもなかなか・・・
マッチ売りの少女VS赤ずきん・・・