この一個前のブログを書く直前に、近所の駅周辺に100人ほどのNYPDの警官が待機していました。
調べるとうちの前の通りでブラックライブズマターの集会が行われる予定だと。
ほどなくしてブログを書こうかとしたら外から「BLACK LIVES MATTER」のデモ行進の声が響いてきた。
新政権誕生の喜びもつかの間、昨年のBLMに対する大統領の対応が蘇ってやるせない気持ちになったのでした。
なので一個前のブログは携帯電話からの投稿、プラスちょっと殴り書きみたいになってしまいました。
いつもならエンタメ要素に注目してファッションに突っ込みまくりなんだけどネ。
今日の就任式はマンハッタンで歩きながら携帯のアプリCNN GOで観ることが出来ました。
一番感動したのは、アマンダ・ゴーマンの詩の朗読です。
アメリカの大統領の就任式では伝統的に詩の朗読が行われます。
1961年のケネディ大統領の就任式ではロバート・フロストが、
1993年のクリントン大統領就任式ではマヤ・アンジェロウが詩の朗読。
そのマヤ・アンジェロウに一番影響を受けたと言うアマンダ・ゴーマン。
ウィキピディアを貼っておくね
2017年、ハーバード大学に通う18歳の時にNational Youth Poet Laureateというアメリカの最高峰の国の議会図書館が決める第一回の受賞者に選ばれました。
以来、アフリカンアメリカンのアーティストや作家、CBS、オプラなどのSNSで見かけるようになりました。
昨年の春にはブラックライブズマターの投稿をしていて、人種を超え、若者たちにより知られるように。
彼女は「詩は最も政治的な活動に適した芸術の一つです」とプロテスト(抗議活動)について沢山の投稿をしています。
ジョージ・フロイドマスクも着用していました。
若い女性たちに勇気と希望を持ってもらえるような詩を書きたいと話すアマンダ。
19歳の時にはCBSインタビューで「2036年のアメリカの大統領に立候補するわ」と公言。
その3年後に22歳という最年少で大統領就任式で詩の朗読をするようになるとは。
世界中でこの様子は観られていたので、多くの小さな女の子やティーンに響いてくれたら良いですね。
今から25年後、、私はまだ生きているかな(笑)もっと早く立候補して欲しい。
さて、アマンダロサンゼルスで双子で生まれ、英語の教師をするシングルマザーに育てられました。
幼い頃、言語障害などがあった彼女は詩を朗読では無く、書くことを母親に訓練されます。
しかし高校生の時に紙に、詩を紙に書くだけでは無く、朗読して聞いて欲しいと思うようになりました。
スポークンワーズに憧れます。
特に「R」の発音に問題のあった彼女は何と、ある曲を歌うことでこの障害を克服しました。
それが2017年エミー賞11部門に輝いたヒップホップミュージカル「ハミルトン」のこの曲でした。
「R」がたくさん出て来る曲です。
「R(アール)」の発音を克服するためにこの曲を暗記するのは良さそうですね。
ちなみにミュージカル「ハミルトン」は7月4日にブロードウェイで再開する予定です。
さて今回、大役を引き受けたアマンダはリンカーン大統領とキング牧師のスピーチも参考にしたそう。
さらに1月6日の連邦議会襲撃を受け、詩の中で「希望」「調和」をより強調したそうです。
「THE HILL WE CRIMB」 直訳すると「我々が登るべき丘」、我々が目指す高みというような意味合いですね。
シンプルな英語ほど日本語に訳すのはニュアンスを考えると難しいです。
「我々この国を継承していく我々の中には、私のように奴隷の子孫であり、シングルマザーに育てられた痩せっぽちのアフリカンアメリカンの女の子が、いつか大統領になることを夢見る者がいるのです」←アマンダが25年後に大統領になったらこの朗読がオンエアされることになるんですね。
いや、47歳か、、せめて43歳でなってほしい。見届けたい。その時のアメリカを。
バイデン大統領夫妻はマヤ・アンジェロウを尊敬しており(というかしていない人がいるのかしら)、亡くなった時には特別なコメントも発表していました。
今回アマンダを推薦したのはファースト・レディのジル・バイデン。
現役でカレッジで教鞭をとる彼女が、生徒と同じような年齢のアマンダを知らないはずはありません。
1993年のクリントン大統領就任式にで詩を朗読したマヤ・アンジェロウにオプラ・ウィンフリーは青いコートとアクセサリーをプレゼント。今回アマンダが詩の朗読に決まったと知ると「ぜひこの青いコートを着てほしい」と連絡したそう。
しかしアマンダはすでに自分の大好きな黄色のプラダのコートを着ることになっていたため断りましたが、イヤリングと鳥かごを模した指輪を借りて着用しました。
そう、その指輪はマヤ・アンジェロウの自伝「歌え、翔べない鳥たちを」をモチーフにした指輪でした。
とても深い本なので是非読んで見てください。
今回朗読した「THE HILL WE CLIMB」の詩の最後に
「私たちがその気にさえなれば、光はいつでも見ることが出来ます。私たちが本気になればです」
本文ではBraveを使っていてこれは日本語では「勇敢」と訳されるようですが、Braveというのは「心して」というような意味合いもあるので「本気」と表現して見ました。多分すぐにどなたかがが全文を訳してくれると思いますので、頼もしいアメリカの未来の風を感じて見てください。
どんなに出口が見えない状況でも、見えると信じることで光が射す、、詩も、彼女の存在も「希望」の塊です。
最後にアマンダの詩とダンスパフォーマンスを融合させたステージをどうぞ。