こんにちは。
株式会社Venture Bank Next の土谷です。

 

先日、ベンチャーバンクグループの各社役員と本社社員が集まる、VBGカンファレンスが開催されました。

 

カンファレンスの後は、会長、橋本社長、吉田社長の3人と食事に行きました。

 

今回のカンファレンスを終えて感じたこと、ベンチャーバンクグループの今後について話しました。

 

吉田社長の前職や、今さらですが私が入社した経緯なども話しました。

 

その中で、吉田社長が会長に、こんな質問をしていました。

 

「なんで、土谷さんを秘書に選んだんですか?」

 

たしかに、私も会長本人から、直接は聞いたことがありませんでした。

 

でも会長は、さらっと教えてくれました。

 

「考え方にセンスがあったし、欲しいと思ったから秘書にしただけだよ。」

 

私は前職で、競合の部長をしていましたので、ベンチャーバンクグループに入社するときは、入社前から話題になっていました。

 

新規事業で分社化し、橋本社長のように、自分も社長になりたいと思い、ベンチャーバンクグループに入社しました。

 

私は、ホットヨガスタジオLAVAで、SVとして配属されました。

 

SVと言っても、本部からの決定事項をインストラクター達に、わかりやすい言葉で伝え、悩み相談に乗り、経費精算など、わからないことを教えてあげる世話係でした。

 

社長になるために入社し、前職で部長だった私にとって、こんなことをしていて何になるのか、そう思っていました。

 

私がしたことは一つです。

 

絶対的な存在になることでした。

 

私は、SVが集まる運営会議や、全店舗の店長が集まる店長会議で、いつも必ず周りとは違う意見を言いました。

 

同調圧力に、負けることはありませんでした。

 

とくに記憶に残っているのは、小規模店舗を出店する場合に、会費の設定をいくらにするのか、という会長からの課題です。

 

みんなは5,000円〜10,000円と答えていましたが、私は19,800円と答えました。

 

そのフレーズがおもしろかったのか、みんなが笑いました。

 

 

でも、小規模店舗ということは、インストラクターと距離が近いことに付加価値があるため、安売りする理由はありません。そもそも、少人数制ですので、低価格に設定すればビジネスとして成立しません。

 

会長は、私の意見に賛成してくれました。

 

みんなが笑った私の意見が、会長からは誰の意見よりも高く評価されました。

 

私のことを嫌いな人も多かったと思います。無難にがんばってきた人から見れば、SVとして高く評価されているわけではないのに、周りから注目されている私を、おもしろくなく感じたはずです。

 

会社では多くの場合、個性よりも強調性が評価されます。

 

正解を言う人より、周りに合わせる人が支持されます。

 

私には、そんなことはできません。

 

でもだからこそ逆に、私のような”変わり者”を支持するオーディエンスも少なくはありませんでした。

 

悪名は無名に勝るわけです。

 

そうやって私は、自分のポジションを確立していきました。

 

でも、いつまでもそんなことをしていたところで、経営者にはなるチャンスはありません。

 

私は自分で起業しようと、退職を決意しました。

 

まだ、何を事業にするか決めていませんでしたが、日本政策金融公庫に融資の相談までして、本気で考えていました。

 

数日後、私は退職したいと上長に話しました。

 

そのとき上長は、競合他社の部長だった私が、LAVAでSVなんかやっても、すぐに仕事に不満を感じるのはわかっていたと言っていました。

 

だから、私をSVにすることには反対していたそうです。

 

そのとおりでした。

 

でも、反対が押し切られていたら、今の私は社長ではないのかもしれません。


上長が、権力のない人で良かったです。

 

私が退職を申し出てから数日後、知らない番号から電話がありました。

 

電話に出たら、会長でした。

 

会長は、こちらの話は聞かずに、一方的に話し始めました。

 

私と似ています。

 

「経営者になりたいなら、私の秘書になりなさい。私があなたを経営者に育てます。」

 

私は、二つ返事で了承しました。

 

2019年4月、私はベンチャーバンクグループの会長秘書になりました。

 

スケジュールの管理から、資料作成、出張手配、海外との取引、プレゼントの手配まで何でもやりました。会長本人のふりをして、電話をすることもありました。

 

秘書という仕事は初めてでしたが、一年後には、会長に頼まれることを予想して仕事をするようになっていました。

 

会長へのリマインドは必須で、大事なことは事前に言っておかないと、会長は忘れます。

 

そこも、私と似ています。

 

会長は、今でも私を頼りにしてくれています。

 

先日も、以前購入していたケーキ屋さんの電話番号を教えてほしいと会長から連絡がありました。

 

会長のご家族の誕生日は全て記憶していますので、誰の誕生日なのかはすぐ理解できました。私はすぐケーキ屋さんに電話でオーダーし、プレートに書く名前、受取まで全てこちらで手配しておきました。プレゼントの手配が間に合っているかの確認もしました。

 

会長に、ケーキ屋さんの電話番号を教える秘書は、二流以下です。

 

一を聞いて十を理解し、秘書ができることは全て秘書がやるのがあたりまえです。

 

今なら、歴代の秘書の中で、私が誰よりも優秀だった自信があります。

 

 

会長秘書として働いた二年間は、私の人生に大きな影響を与えてくれました。

 

多くのことを教えてもらったわけではありませんが、大事なことを学びました。

 

2020年12月、私は社長になりました。

 

私が会長秘書になって、一年半で社長になったので、ベンチャーバンクグループにいれば自分も社長になれると思ってしまう人がいるかもしれませんが、ベンチャーバンクグループで新しく社長が出てくることは、しばらくないと思います。

 

私は、前職で部長でした。

 

寝ないで仕事をしたことも、何度もありました。

 

多くの努力をし、理不尽なことにも耐えてきました。

 

マネージメントに苦労したこともありますし、その度にいろいろなことを学びました。

 

普通の人とは、経験値やスキルが違います。

 

私だから、社長になれたのです。

 

会長は、最初から私のことを見ていたそうです。

 

経験値があり、まともな意見を言うのに、なぜ周りから高く評価されないのか、不思議に思っていたそうです。

 

でも、ベンチャーバンクグループ史上、新規事業で社長になったのは、FEEL CYCLEの橋本社長と私だけです。

 

みんながどう思っても、それが現実です。

 

友達ごっこをし、協調性を大事にして普通の人生を送るか、変わり者とバカにされても社長になるか、私にとって価値があるのは後者です。

 

私が社長になったとき、従業員4人の小さな会社だと、バカにしていた人もいたかもしれません。

 

でも二年間で、今の規模まで会社を大きくしたのは私です。

 

今なら、私のことをバカにできる人なんて、誰もいません。

 

他人にバカにされたり、笑われたりすると、結果を出したときに、それを引き立てるエピソードになります。


私からすると、みんなエキストラとして良い仕事をしてくれました。

 

性格悪いです。

 

それが土谷泰平です。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 


2023年6月2日
株式会社Venture Bank Next
代表取締役社長 土谷泰平

 

筆者プロフィール
URBAN CLASSIC PILATES を運営する、株式会社Venture Bank Nextの代表取締役社長。ホットヨガスタジオLAVA、FEEL CYCLEを運営するベンチャーバンクグループの元会長秘書。