おはようございます!!
浦和高等学園の
金子です。
(http://www.urazono.net)
本の紹介です!!
メリットの法則
行動分析学・実践編
奥田健次著 集英社新書
長い引用となりますが、是非、
今お子さんが不登校状態に陥ってしまっている
早期の状態であれば、この引用は必ずと言ってよいほど役立つものになるでしょう。
途中、専門用語ややや難しい文言が出てきますが、
その点は、インターネット等で調べて頂ければと思います。
以下、引用です。
P129 不登校への支援
不登校状態に陥っている子ども、
家族に対して
「何もやらなくてよい(社会が悪いから)」と
言うせいで、
当事者の多くはその耳への甘い言葉に騙されてしまって、本当に何もやらない。
医師や心理士の中には
「子どもの甘えを全面的に受容すべきです」と
言う人もいて、これらの無責任な助言のせいで子どもの召使いのようになっている親や祖父母と数多く出会ってきた。
機能分析など、まったく無視されている。
学校に行くことを強く拒否する行動、部屋にこもって過ごす行動などを、
「不登校」
「ひきこもり状態」
とレッテルを貼って好き勝手な解釈をするばかりで、一つ一つの行動を行動随伴性で見ようとしない。
学校に行かない子ども→では、
学校に行かず、
どのように家で過ごしているのかを調べる。
<具体例>
イチロウは、遅いときは朝10時過ぎに起きてきて、少しジュースを飲む。
しばらくすると、部屋に戻って漫画を読み始める。
母親が「漫画はだめでしょう!」と注意すると、
暴言を吐く。暴言を吐くと、母親はカウンセラーと
医師の言葉を思い出し、
それ以上は何も言わずに引き下がる。
またしばらくすると携帯ゲームで遊び始める。
お昼前になって、
母親は「部屋でゲームばかりさせるよりはマシかな」と思って、
スーパーへ買い物に行くのに付き合うように
イチロウに声をかけてみた。
すると、面倒くさそうだが、
イチロウは駐車場まで出て車に乗り込み、
母親の買い物に付き合ってくれた。
買い物を終えると、
イチロウは「お昼ご飯はハンバーガーがいい!」と
言い出して、バーガーショップの前で立ち止まった。
母親は、イチロウの提案に従って、
バーガーショップに二人で入ったのであった。
ここでイチロウの行動随伴性に着目する。
母親に提案したのは以下のこと
・下の二人はまだ学校に行く日もあるので、
学校に行けた日(遅刻せず早退もない日)には、
大きなカレンダーにそれぞれの子ども専用のシールを、記録代わりに本人に貼らせること
・次回、そのカレンダーを持参すること
・1週間の過ごし方を表に持参すること
3週間後、母親は上記のことをすべて実施して、
記録を持って来所した。
それらの記録に基づいて、無理のない目標設定をそれぞれの子どもに立てて、
来週以降、目標達成に(行動の結果)応じて、
週末の母親との過ごし方を変えることを提案した。
目標は、下の兄弟が週4日以上、
学校に行けたら、週末に母親とファミリーレストランかバーガーショップ。
イチロウは週1日、保健室登校でも出来れば、
母親とファミリーレストランかバーガーショップ。
こんな提案すら、母親にとっては驚きだったようだ。
私と出会うまでは、
「きょうだい、わけ隔てなく」などと言われてきたのに、私から始めて、
「行動の結果に応じて、きょうだい、に歴然とした差をつけること」
「目標はそれぞれの子どものスモールステップなので、
きょうだい間で『ずるい』とか『甘い』などと言わせない。
「ファミリーレストランかバーガーショップはどんなことがあっても普段は行かないこと」などを聞かされたからだろう。
しかし、これが私の「行動の処方箋」だ。
母親は、子ども達に来週からの方針を伝えて実行に移った。
すると、下の兄弟たちは、1週目、いずれも目標をクリアした。
予想通り、兄イチロウは不機嫌な1週間を過ごして、それまでと同じように学校には1日も行かなかった。
大変なのはその週末である。
母親はイチロウだけを家に残して、
下の子達を連れて、
ファミリーレストランに出かけた。
これまた私があらかじめ母親に伝えていた
予想通り、イチロウは怒ったりすねたりしたが、
母親は手ごたえを感じることが出来た。
学校を休んで好き勝手やっている兄のことを
「ずるい」と不満に感じていた、
下の子二人が、学校に1日も行かない兄のことを
「かわいそうだね」と言えるように変わったからで
ある。
母親からすれば、
親の関わり方を変えてたった1週間で、
不満が満足に、憎しみが哀れみに変わったことは、奇跡のように思えたに違いない。
2週間後、イチロウは久しぶりに
保健室登校ができたことも、
母親の驚きを倍増させた。
その週末、母親はようやく3人の子どもをつれた、
バーガーショップに行くことが出来た。
“こころの中身”は不毛な議論
このようにして、
この家庭の不登校、
「3打数3安打」の問題は見事に解消された。
こうした事例は、たまたまうまくいったのではない。
ここではイチロウの家のケースを紹介したが、
同様のケースは枚挙にいとまがない。
行動分析学を用いた教育相談の成果は、
このように劇的で即効性もあるので、
同業者により批判はオカルトっぽくなっていくことがある。
大学教員であろうと医師であろうと、
次のような批判にはまさにオカルトっぽい。
よくあるそれらの批判のパターンは、
「行動だけ変化しても、“こころの中身”はどうなのかしら?」、
「学校に行くことが“本質的な解決”なの?」
「“報酬で動かす”のは良くないことじゃない?」
などといったものである。
“こころの中身”って何なのだろうか。
行動分析家は、いわゆる
“こころの中身”
と呼ばれるものであろうと、
それが死人に出来ない活動ならば、行動として取り扱っている。
批判者の言う
“こころの中身”
なるものが循環論にならないようにと願う。
“本質的な解決”とは何なのだろうか。
者であろうと一般的な人であろうと、
どうしても受け入れたくないときに
“本質的には”と言いたがるようだ。
言っている本人が“本質的”という言葉が何を指しているのかを具体的にいえないものである。
“報酬で動かす”というのも、おかしな話だ。
“動かす”というよりも、
自発的に“動く”ように援助しているだけである。
不登校のイチロウの場合ですら、自分自身でどのような行動をするか選択することが出来るのだ。
学校に行かず、家にいても良いが、
その場合はファミリーレストランやバーガーショップに行く権利が得られない。
世間一般で言われる
「罰」(嫌子出現の弱化)を使って
“動かした”のではない。
条件だけを明確に定めて“動く”ようにしたのだ。
私達も海外旅行に行きたければ、
旅費やホテル代を自分で稼ぐしかない。
海外旅行に行くか行かないか、行けるか行けないかは、すべて行動する本人次第なのだ。
* 長い引用になりました。
私は奥田先生が専門にされている、
「行動分析学」についてはほんとに付け焼刃程度の知識しかありません。
しかし、不登校支援において、本人の精神世界に
焦点を当てすぎること、またはゆっくりと見守ることは、
時に、逆効果、むしろ、悪化させてしまう
(つまり、不登校状態の延長化、引きこもり状態の慢性化)ことが多くにあるように、これまでの臨床経験から感じています。
過去のブログで、
家族療法で有名な中村先生の研修会の報告、
及び感想を記載したことがあると思います。
そこでも
中村先生は
「登校刺激というよりも、社会化刺激だ」
という言葉があったと思います。
今回の引用の中で記載されていることは、
ウラゾノの保護者の方々、もしくは不登校のご相談にて、私のところに足を運ばれた方々であれば、
幾度か耳にしたことのある内容だったかと思います。
実際に、たった2回の面接で、
母親の子どもに対する対応を検討し、
実行に移したところ、劇的な回復を見せた
ケースも実際にあります。
今、現在、お子様が不登校状態になってしまっている、
もしくは、
なって1週間・・・
といった状態のご家族がいらっしゃいましたら、
善は急げです。
(「早期発見、早期治療」です。)
この奥田先生の 「メリットの法則」の一読をお勧めします。
またもちろん、ウラゾノに連絡いただき、
金子のカウンセリング予約を入れていただければと思います
(なんだか宣伝みたいになってしまい、
すいません。)
最後に、なんだかんだ言っても、
私がよく使うフレーズですが、
「人の心は見えません・・・し分かりません・・・」
そして、結局は専門家として、
不適切な状態から健康な状態にすることが
出来なければ、
それは専門家とはいえないのではないでしょうか・・・
これは自戒の念もこめてですが、
心理の世界では~~派、~~派とありますが
お金を頂いて、カウンセリング、精神療法をさせていただいている以上、
「治してなんぼ」の世界です。
河合隼雄先生がどこかの講演会か、本の中で仰っていました、
「何々派(例えばユング派、フロイト派など)というのはバックボーン。つまり背骨です。背骨が外に見えたらおかしいでしょう。
バックボーンを持ちつつ、
クライエントの個性にいかに合わせて治療していくかがポイントです。」
といった内容だったかと思います。
まさしくその通り!!
すべての子ども達を救うことは正直、
出来ないですが、出来るだけ、多くの子ども達、
保護者の方々に少しでも笑顔が出るような
支援をしていきたいと思います。