第16回「地方有権者の人気取り~必修科目未履修問題で安倍首相が救済策検討を指示」 | ズバズバ勝手に裏読み!最新ニュース裏のウラ           就活時事問題対策にもぴったり

第16回「地方有権者の人気取り~必修科目未履修問題で安倍首相が救済策検討を指示」

  

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 政府は10月28日、全国の高校で必修科目未履修が相次い

で発覚した問題で、単位不足が懸念される生徒に対する救済策

の検討に入った。安倍首相が二27日、伊吹文部科学相を首相

官邸に呼び、指示した。

 伊吹文科相は救済に対し否定的な考えを示していたが、全国

の都道府県教育委員会の27日時点の集計で、未履修の高校

が41都道府県の約400校に上り、単位不足の恐れのある生徒

が7万人以上となる見込みであることが判明。事態の深刻化を

受け政府は方針転換を迫られた。

 文科省初等中等教育局は「(世界史などの履修に必要な)70

時間の授業は、大学入試シーズンが一段落した後、3月末まで

に行う補習で十分対応可能」としている。

 ただ、中には岩手県盛岡市の私立校のように一部の高校3年

生が4科目、350時間分の補習を受けなければならないような

“想定外”のケースもあり、未履修の生徒全員が来春の卒業ま

でに指導要領通りの時間数をこなすのは困難。政府はこうした

ケースに対し、どのような救済が可能か検討する。

 安倍首相は27日、官邸で記者団に「子どもたちに原因がある

わけではなくて学校側に原因があり、教育委員会もチェック機能

を果たし得なかったことに問題がある」と指摘。その上で「子ども

たちの将来に問題が発生しないよう対応すべきだと考えているし、

そのように指示している」と強調した。

  

 

 

 


この問題については様々な立場から様々な意見があるだろう。

子供に罪はないから可哀想だ・・・残り期間での辻褄合わせは

物理的にかなりの負担だ・・・。そういう感情論で考えてしまい

がちではあるが、私たちはもう少し冷静に考えなくてはならない。

 

未履修問題を抱える高校は確かに多いが、全国にはそれ以上

に多くの高校が存在する。進学校だけでもかなりの数にのぼる。

それらの高校では、基本ルールどおりに必修科目は履修されて

いて、その代わりに出来なかった受験対策を別の方法で賄って

いるのだ。

 

今回表面化した未履修高校の多くは地方の進学校。地方には

カリスマ的人気講師を多く抱える大手予備校がない場合が多く、

受験対策については高校が自前でやっていることが多い。一方

あまり未履修問題が発生していない都市部の高校では、多くの

生徒が有名予備校に金銭的対価を支払って受験対策をしている。

もしも今回未履修問題に救済策がとられるならば、まじめに履修

した上で、さらに金銭的代償を負っていた都市部高校生にとって

は、感情論ではなく金銭的な不公平が生じてしまう。

 

だから今回文部科学省事務方と伊吹文科相が「ルールは曲げな

い」と原則論にこだわったのは正しい姿勢だとも言える。 

 

しかし今回の政府の判断はそういう道義的問題や感情論ではない、

汚い権力闘争の影がちらついていると思われる。

  

忘れてはいけないのが、今回の問題は東京都、大阪府、愛知県な

どの大都市圏で比較的発生が少ないということ。大都市圏に多い

無党派層を主な支持基盤にしているのは民主党、さらに退任した

小泉前首相・・・そしてその流れを汲む安倍首相なのだ。

 

逆に多数の未履修高校が存在する地方の保守層を支持基盤に

しているのは自民党内の伊吹派など安倍首相の出身派閥である

町村派(旧森派)とは別の派閥。そして文科相・伊吹文明は、たま

たま先の自民党総裁選では安倍支持に回ったが、本来は敵対

していた者同士なのだ。安倍には早く失敗してこけてほしい・・・

そう願っているのは間違いない。自民党内には潜在的なアンチ

安倍が充満している。そういうグループはどこかで足を引っ張ろう

として必死になっている。今回伊吹文科相が頑なな姿勢を見せた

のは、原則論を振りかざしたのではなく、安倍政権の人気凋落を

狙ったとみるのが妥当だ。

 

今回未履修問題で当事者になった高校生は、全国ではかなりの

人数になる。彼らは2年後には選挙権を獲得する。さらに彼らの

親も選挙権を持っている。彼らに負担を負わせて「自民党離れ」

を引き起こせば、来年夏の・・・参議院選挙、さらにその後に控え

る衆議院選挙ではかなりのマイナス要因だろう。当然安倍首相

の責任問題も浮上する。

 

そうした動きに勘付いた安倍首相は、急にそうした地方有権者た

ちの懐柔策に打って出た。それが今回の救済策検討開始なのだ。

今後はそういう目でこのニュースのなりゆきを見守りたい・・・裏読

み男はそう考えている。

     

こんなこと・・・絶対に本業じゃ言えない、書けないのである。

 

 

 

 
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