その昔 テレビで「山のあなアナ」で名高い円歌の落語「 西行」 を聞いていた時のことです。

ミカドの警護に当たる 北面の武士・佐藤兵衛尉憲清(のりきよ、後の西行)、ミカドの寵愛を一身に集める染めどのの内侍(ないし) の危機を救うんですね。 危機と言っても 和歌のやり取り上のことです。

美貌に 恵まれていても、どうせ和歌の教養などは知れたもの、野遊びの時に謎をかけて来たのがいました。

蝶々が舞っていると、

蝶々が奇数(半)で飛んでいるというのに、蝶(長)とはこれいかに。

どう返していいのかわからず染めどのの内侍が困惑していると、 警護に控えていた佐藤兵衛尉憲清 が進み出て、

1羽で飛んでも千鳥と言う鳥がいるのだから、奇数(半)で飛んでも蝶(長)は蝶なり。(東映映画の見過ぎじゃないか と円歌自身が自嘲気味に解説)

相手はギャフン。喜んだのは染どのの内侍。野遊びの後、佐藤兵衛尉憲清を呼び出し、杯を賜る。 かしこまっていただいた佐藤兵衛尉憲清が目を上げるとそこには染めどのの内侍の美貌が。一発でフラフラ となった佐藤兵衛尉憲清。

噂は宮中を駆け巡り。

さてそこからです。