※翔潤妄想小説注意。

※BL注意。

※パラレル設定です。





Side N





「大野さんのバカ」

「あーあー、そうだよ。俺ぁバカだよ」

「なんで許しちゃうかなぁ」

二人にお願いされて、それはもう深々と頭を下げられて、大野さんは潤くんの「お泊まり」を許可してしまった。

「ホント甘いんだから…」

「ニノに言われたくないね」

「どっちもどっちだろ。二人とも潤には激甘じゃん」

トナカイの言葉に俺も大野さんも口を噤む。


去り際、彼に手を引かれて部屋に入って行く潤くんは、こちらを振り返らなかった。

一晩だけ一緒に過ごしたからって、なんになるっていうんだろう。
余計に別れが辛くなるだけじゃないのか。

「…潤、今頃、ラブラブかなぁ?」

トナカイがそう呟いた。

「まぁ、それが目的だろうからな…」

「…潤、今頃、食われちゃってるのかなぁ?」

「やめろ…。食われるとか言うな」

「だってそうじゃん!あ~、ひどい目にあってないといけど…!」

「ひどい目ってなに!?」

「潤、純粋だからっ」

「大丈夫だろ」

「大野さん…」

「ひどい目にあわせる様な奴じゃねぇよ」



本来なら人間の世界に外泊なんて、許可も何もない筈で。
バレたら潤くん本人はもちろん、許した大野さんだってペナルティをくらうんだろう。

でも、それでも潤くんの我が儘を通したのは、決して潤くん可愛さからだけじゃなく、櫻井翔が信用できる人間だと、きっと大野さんも思ったからだ。

そいつが良い人間か悪い人間かなんて、俺達は職業柄すぐにわかってしまう。


でも、彼が唯一、潤くんにひどいことをするとしたら、それは…

「…潤くんのこと、忘れちゃうのにね」

そんな悲しいことってない。


いっそのこと、潤くんの記憶からも、櫻井翔のことだけ消すことができたらいいのに。


「ニノさ、」

「なんですか」

大野さんが、んー、と考えながら、言葉を選びながら口を開いた。

「運命…、って信じる?」

「はぁ?」

運命?
そんなの、信じるか信じないかでいったら、

「俺は、信じませんけど」

「だろうなぁ」

「…」

「…」

「…えっ?何?」

「え?何ってなに?」

「いやいやいや、急になんで運命?」

「別に、聞いてみただけ」

「いや絶対なんかあるだろ!」

しかもこのタイミングで「運命」なんて、あの二人絡みに決まってる。

「何?まさか二人が出会ったのは運命とか言わないよね?」

そんな、ドラマか映画みたいな話、そうそうあるわけない。

「運命、俺はあると思うんだよなぁ」

「…意外とロマンチストなんですね」

そんなのあるとしても、潤くん達は悲劇の方の運命じゃないか。


大野さんが、いつもの飄々とした顔でこちらを見つめる。

「実はさ」

「はい」

「一つだけあんだよね」

「何がですか」

「記憶、消さないで済む方法」

「…………は?」



「これ、内緒」



唇に人差し指を当てて、大野さんがふにゃりと笑った。