冬、新型コロナの詩 | 2020年COVID-19爆発

冬、新型コロナの詩

2020年06月26日
 春、新型コロナの詩
冷たくも和らぐ中に新年の 明けて令和は立ちにけり
ゴ―ン往きたる中なれど 穏やかな年迎えたり
二、三の人の咳をする 北国未だ収まらず
やがて聞こえるちらほらと 咳の広がり胸を病む
正月も末遂に死者 息ができずになるという
冬の病は後少し 待てと言う人騒ぐ人
遂にクルーズプリンセス 船が病に乗り取られ
新型コロナと名乗られる その頃はるか西の方
羅馬に暗き噂あり 人々倒れバタバタと
死に行く人の数知れず 黒死病無き現代に
悪魔の如き微留主が 猖獗極め西班牙も
遂に彼らに乗り取らる 風の如くに北上し
仏蘭西、英吉利訳もなく 降服させしこの悪魔
遂に海越え亜米利加に 渡るはCOVIDのコロンブス
新大陸は夢の国 大いに広まり西向かう
アリスの如くトランプの 兵(つわもの)蹴散らし西海岸
目指すは遥か海の先 黒船に乗り漕ぎ行ける

そのころ日本ジパングは 黄金の国既になく
中国からの微留主を 浴びて人々騒ぎおり
さすが東洋神の国 八百万の神守りしか
微留主思うがままならず 地団太踏むが黄泉の国
入口狭く中々に 入れる人は限られて
千人針さえ届かずと いう人の有り春の暮
喜ぶ日本専門家 正しき方針我持てり
瀬戸際止めるは我なりと 言挙げする者数知れず
一方その頃経済は 百兆円を使い切り
既に断崖絶壁の 様相示す中なれど
その方針は政府なり 我は知らずと嘯くは
先程の口と同じ口 識者ここにてまかりいで
皆で作ろう良き国を 民主主義なり人々の
協力こそが命とは 言い得て妙なり初夏日本


梅雨空の水無月開けて 文月入り 
COVID如何にと眺めれば 気温も湿度も何のその
夜の東京ネオン街 攻めるも守るも仕事とは
言えどコロナも生きる術 求めて彷徨夏の陣
政治は既に力無く 弾打ち果たす後なれば
周り騒げど落ち着きて 今はまだ時来たらずと
言いてワクチン薬待つ 弾薬の来たその後に
一気呵成に 攻めかからん
うそぶく人もある中に 必死にはたらく医学者は
様々な物試しつつ 候補を百も作りたり

小人は驚き騒ぎだす 狙いはふたつと絞り込み
まず東京の若年層 命知らずの者たちの
勇気を試すと 仕掛けるは コロナなんぞは
怖くない俺は元気さ コロナにも
正々堂々戦いて 力示さん夜の街
怯える者を下眼にて 見る者増やすもこれ戦略

次いで狙うは巖として 小人を容れぬ岩手県
完全制覇目前に 北上の地を目指すなり
何故だどうして彼の地には 入れぬ掟あるのかと
問えば答えし巖鷲山 ワ―ハッハと大笑い
小人よく聞けこの地には 過去にも幾多の戦禍あり
八幡太郎が南より 攻めてきた時不覚取り
武衛の軍には畏れなし 重忠の鍬に土手掘らる
今度こそはと意地になり 絶対容れぬ小人たち
入りたければ十万の 勢を集めて推参せよ
さすれば納豆、椀こ蕎麦、黄精飴で返り討ち
この堅塁を破れるは 誰かあるらん令和夏
小人も来ぬが客も来ぬ 兵糧攻めとは戦略か
歌にて破る いざ勝負
2020年7月5日

戦いはわが軍有利に進みけり 死者感染者少なくて
いよいよ数が減りにけり 但し戦費は積み上がり
バランス考えそこはかと 元に戻せば経済は
V字回復万万歳 敵は他所では減らぬ中
我が国の価値見せばやと 遂に下した決定は
緊急事態の宣言を 全面解除気持ちよし
頼むぞ無理せずこのままに 遊びを止めて生真面目に
過ごしてくれと祈る人 しかし世間は訳知らず
東京のみは引き切らず 少しずつでも感染者
やがて出で来る悪噂 嘘か本当か分らねど
噂に踊るかのように やがて蔓延大都市に
大阪、福岡、名古屋へと 伝わるうちに北海道
踊る太鼓の音に合わせ 拍子を取って増えてゆく
攻めはゆっくり確実に いつしか過去越す感染者

政府はもはや異を立てず 死者を数えて見守りぬ
個人の努力足りぬゆえ 感染広がる浮世なり
世論に応え十全の 対策をせしこの後は
経済歪めて動けとは 誰がどうして言えようか
悪い噂は何のこと そんな噂をする暇に
三密守り邪な 遊びを止めて只管に
病を止める方策は 今の病の核を生む
大都市に住むほの字達 宥め賺して
帰省させ 新しい町開くべし
さはさりとても さりながら
確かに正しき道なれど そうは出来ない浮世なり
文明国の弱点を 知るや知らずや的確に
突く手練かな手管かな

これがコロナの作戦と 思えば悔し重力の 
法則なのか訝しむ あえて言上げしたけれど
ここで政府は何思う 街の人々何思う
思いを語れそれこそが 民主主義とは我思う
戦い済んで日が暮れて やがて帰る家無事なりか
気にかかるのは唯一つ これで壊れる世にあらず
人の気概を示したし      完
2020年8月16日 
季節は変わり神無月 霜月までもあと旬日
世の中見ればこは如何に 人の心は何を待つ
安く旅する食べ歩く 払うは政府か自治体か
魔法の如き技使い 人は喜び踊り出す
いずれ我が身に還るとは 知らぬ私じゃないけれど
その時はそれえい儘よ あとは忘れて今ぞ良し
思えばデジャブこの五年 故郷納税まきおこり
喜ぶ人の多けれど 遂に経済上向かず 
その轍を踏む施策にて 気分は上がるこの冬に
足元じっくり見定めて 大切な物探す旅
聞けば西欧いまだしと 感染止まぬ新コロナ
またまた増えて先の分らぬその時にゃ 唯一無二の方法は
過去をひも解き思い出す 百年前のこの時に
デジャブすれば思い出す 二年の時を生き延びて
春待つ気持ち浮かべつつ じっと耐えるか団栗の
硬き殻持て身を守る 永き日本の伝統は
全てを水に流し去り 行い正し淡々と
食事するのも薬のうち 日本はそれで
それなりに打つ手もなくて見守りぬ
困るは今を生きる人 政府は逃げの一手にて
何の策をも出さぬ中 ただ日は過ぎて一憂の
中で軋むは歯車の悲鳴にも 似た声ばかり
ああその上の時代には 閉塞なりと嘆きしを
甘き夢見しあとなれば 嘆く言葉も梨の花
隣好国も見当たらず 未完の薬求めつつ
心に思う今一度 奇跡の如く現れよ
サーズ、マーズを滅ぼせし 謎の抗体微生物
ああ東洋も西洋も 人に変わりは無いじゃなし
2020年10月25日
何故にこれほど違うのか 誰も言わねど知る人は
そこに隠れた秘密見る その秘密をば解き明かし
コロナの正体見破らん その間にもCOVID
考える暇与えじと 次々送る新兵団
目指すはWASPか人類か 増える患者に耐えかねて
遂に繰り出すrunaワクチン 全面衝突今将に
遥か東洋日の本で 小さき声で我は言う
安全性は大丈夫 経済性は大丈夫
誰も聞かない答えない 命の重さひしひしと
伝わるほどの重大事 緊急事態と言われれば
一も二もなく賛成し 試しとてなく五里霧中
緊急避難は罪もなく 助かる命多ければ
医学の勝利嬉しかり さはさりとてもさりながら
戦さの帰趨は二年越し 蓋を閉じてぞ決まりける
日の本にては拙速を 避けて右見て左見て 
真っ直ぐ渡る二本道 途中でいつしか道違え
ワクチン出来たと聞きつけて 一息ついてやれ安心
日本の科学じゃ出来ぬもの 欧米科学買いに出て
調達既に一億人 金に糸目をつけぬ国
国民からの喝采に 付けは回すが後の事
命と金を天秤に 掛けて重いは命ゆえ
皆人走るその中で中 一人強がる人の有り

薬で治すコ―ビッド どんな病も腸内を
必ず通るに目を付けて そこに仕掛けし治療薬
必ず小人を捕えんと 日々研鑽の一ヶ年
発症せぬ人見つけ出し 食べし物聞き身を調べ
試す日々ありいつしかに 山々雪に覆われて
コロナ再び暴れ出す さても困ったこの騒ぎ
二月程は続くらん 皆人出でぬその中を
歩くは誰と眺めれば 健康自慢の若き人
何も気にせぬ人増えて コロナは一向減りもせず
騒ぐ医療者尻目にて 怖くないよと言いつのる
そうするうちに春弥生 何故か患者が減り始め
卯月となれば一層に 皐月の空は明るくて
穴から顔だすネズミさえ 喜び溢れ陽の光
やがて人々歌いだす 全ては元に戻ったと
歩きだす人走る人 笑う人有り華満開
ああこれからは遠慮せず 働く人の幸せを
噛み締めんとぞ 思いける
道には人の溢れ出て 梨売り老人梨配る
はて面妖なこれは何 小人現れ綱登る
その時はっと目が覚めて 小雪が居落ちる
さては現実未だしと 心引き締め筆を置く
これから先は誰が書く 読みし人世の気持ちにて
嬉しきことを心から 望みて明日は目を覚ます。
完完の完        20201228