EQWELチャイルドアカデミー主席研究員の浦谷です。

 

3歳までの言葉かけで、人生の基礎が決まってしまうというのは本当なのでしょうか?

 

そのことを明らかにした研究があります。

1980年代にシカゴ大学の心理学者ベティ・ハートとトッド・リズリーが行った『3000万語の格差』という研究です。

 

この研究結果から

 

「生まれてから3歳までに、親にどれだけ温かい言葉を数多くかけられてきたかが、子どもの将来的な学力や人格に大きな影響を及ぼす」

 

ことがわかりました。

 

 

この研究では、家庭環境の異なる42世帯の子どもを生後9か月から3歳まで追跡し、子育ての様子や親の発話を詳細に記録しました。

その結果、家庭によって3歳までに聞く言葉の数に圧倒的な差がありました。

 

言葉かけレベルが高い家庭では、3歳の終わりまでに約4500万語の言葉を聞いていたのに対し、言葉かけレベルが低い家庭では約1300万語しか聞いていなかったとの結果が出ています。

その差は最大で約3000万語もありました。

 

また、言葉かけレベルが高い家庭では、言葉の量が多いだけではなく、言葉の複雑さ、多様さといった質の面も豊かな傾向が見られました

 

その差が脳の言語処理速度をはじめ、3歳時点のIQや将来の学力にもつながっていたのです。

 

 

差はそれだけではありません。

言葉の内容を分析したところ、言葉かけレベルが高い家庭の子どもは「肯定・応援」の言葉を約66万回聞いていたのに対し、低い家庭では約10万回しか聞いていませんでした。

逆に「否定・禁止」の言葉は、言葉かけレベルが高い家庭の子どもは約10万回、低い家庭の子どもは約22万回も聞いていたのです。

 

つまり、言葉かけレベルが高い家庭では、低い家庭に比べてポジティブな言葉かけは6倍、ネガティブな言葉かけは半分ということです。

 

ここでいう「肯定・応援」の言葉とは、

 

「いい子」

「よし!」

「その通り」

「よくできたね!」

 

といった言葉です。

 

「否定・禁止」の言葉とは、

 

「ダメな子」

「間違ってる」

「何もできないのね」

「やめなさい!」

 

といった言葉です。

 

この言葉の内容の違いは、積もり積もると、子どもに「信念の格差」をもたらします

 

子どもにネガティブな信念が植えつけられると、何を見聞きしても、自分のできなさや価値のなさを意識する(感じる)ようになります。そして、その信念を立証するかのように、行動がネガティブになってしまうのです。

 

この負のスパイラルが繰り返されることで、子どもたちの「成し遂げ、成功する力」や「可能性を最大限に発揮する力」が大きく削がれてしまいます。

 

大人が子どもにポジティブな言葉を多くかけることは、とても大切なことなのです[1]。

 

浦谷 裕樹 拝

 

 

[1]  『3000万語の格差』 ダナ・サスキンド

 

 

 

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