未来へ向けて歩んだ軌跡 -5ページ目

【プロローグ】5つの質問 ~世界の人々へ語りかける日々~


初めての方はもし宜しければ目次からご覧ください。
http://profile.ameba.jp/urasocial/
過去のことから現在に向かって書き進めています!

=====================================================


2003年3月。イラクから日本へ帰国した。

そして、その2週間後の3月20日にイラクへの爆弾投下が

始まっていた…。


TVを見ていると、真っ暗闇の中に光が轟いている

様子が映っていた。

ちょうどおれが泊まっていたあのホテルの上を

光り輝く戦闘機が通り過ぎ、また大きな光が広がった。



一体、これは何だろう。

映画の中の世界か??

遠いどこかで起こっている出来事なのか。

でも、その場所につい2週間前までおれもいて、

そして、みんなと笑いあったりしていた場所だ。



今、おれはそこから遠く離れた日本で、ベッドに横になりながら

煙草をふかして、その様子を安全な場所から見つめている。



結局、またよくわからなかった。

一体何が起こっているかもわからなかったし、

生きているってなんなのかもよくわからなかった。



つい数年前までは、そんなことも考えずにフラフラと

街を練り歩き、好きなやつらと酒を飲んで騒いでいれば

ちょっとした物足りなさはあっても、幸せだと感じていた。



それが、いつの間にかこんなよくわからない混乱した気持ちに

なってしまった。



会社を起こすお手伝いをして、アフガニスタンでのプロジェクトを

立ち上げて、イラクに行き、そしてその場所がTVの中で今は最も

注目される場所になっている…。




おれは、ここ日本でデザインの仕事をしたりしながら、

自分にとっての日常に少しずつ少しずつ戻っていっていることを

感じていた。



それでも、ふと、考えることが増えてしまった。


あれだけ、お気楽に遊んでいられたのに…。

おれは何かよくわからない道の方へ、足を踏み出してしまったのかもしれない…。




1年ほど、そんな生活を続けていくと、イラクでのニュースも

あまり目にすることも無くなっていった。


でも、自分の中にある気持ちは、あまり色褪せることなく

残っていた。




結局、よくわからない…。


そして、おれはまた心の中から湧きあがるこの気持ちを

止めることができなくなっていた。


そして、決めた。


行こう…。 答えを探しに…。