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ストラナハンです。
価格は750mlで4000円〜6000円ほどでしょうか。
度数は47%
こちらは日本ではあまり見かけない、アメリカンシングルモルトウイスキーとなります。

アメリカにはバーボンとテネシーウイスキーしか無いと思いがちですが実はモルト原酒100%のシングルモルトもあるんですね。しかも蒸留所の数もスコッチと同じかそれ以上だそうです。アメリカでは割とポピュラーな存在なんでしょうか。
アメリカンシングルモルトについては、まだしっかりとした基準があるわけでは無いようですが、原料が大麦100%で熟成はアメリカンホワイトオークの新樽で行なっていることが多いようです。蒸留は単式蒸留を2回行っています。スコッチではアメリカンホワイトオークの新樽で熟成させることはあまり一般的では無いので、その点で特徴が出ているように思います。

さて、今回飲むストラナハンについて
蒸留所はその名の通りストラナハン蒸留所というところです。場所はコロラド州デンバー。ロッキー山脈の麓に位置します。
ストラナハン蒸留所ではテロワールを重視しており、今回のシングルモルトでは原料の大麦は100%ロッキー山脈近辺のもの、水も当然ロッキー山脈のものを使用しています。
ストラナハンの公式ホームページには、製造プロセスが結構詳細に書かれています。

工程ごとのアルコール度数なんかも記載されていて1回目の蒸留で度数は40%になり、2回目で70%
再度、ロッキー山脈の水で度数を55%に調整し樽詰。2年から5年の熟成を経て、20樽ほどをバッティング。ロッキー山脈の水で度数47%に調整しボトリングという流れ。オフィシャルホームページでここまで詳細に説明してくれるというのは中々好感が持てますよね。

続いてはボトルについて。
ちょっと特徴的なボトルですよね、特にキャップ部分。実はこの金属の部分はキャップではなく金属製のカップになっています。取るとこんな感じ


ホームページの方には実際にこのカップにウイスキーを入れている写真があります。しかもこのカップ、中にメモリが入ってます。

ただの飾りでは無く、普通に使えそうな出来。
どうやらデンバーにはティンカップという金鉱山で栄えた場所があり、坑夫たちなどがティンカップ(ブリキなどの金属製のカップという意味)でウイスキーを嗜んだということからその名がついたようです。おそらくそれにちなんで金属製のカップがついているのだと思います。洒落てますねー。
そしてラベル部分には、ボトルナンバーも

なんか、こういうシリアルナンバーみたいなものが入ってると愛着が湧いてきますよね。
ちなみにラベル右端のElevation:5,280’というのはデンバーの標高を示しているようです。デンバーは平地でありながら標高1マイル(5,280フィート/1,609m)にあるそうです。かなり標高の高いところで蒸留、貯蔵されているんですね。



さて、少し前置きが長くなりましたが早速飲んでいきたいと思います。



香り
かなり強い樽由来の甘めの香り
メイプル、バニラ、カスタードクリーム
熟したフルーツ、ビスケット
エステリーでバーボンのようなニュアンスも
時間経過でラベンダーのような香りも

ウッディ、スパイシー
一瞬スッとフローラルな香りがして消える
その後、バニラ、ハチミツ、カスタード
樽由来のスモーキーさと若干の苦み

余韻
全体に甘く、ハチミツ
少しスパイシーで、ハーブ系の清涼感も



感想
とても甘いウイスキー。アメリカンホワイトオークの新樽の影響が強く、全体的にバーボンの印象が強いですが、それだけでは無い、モルトならではの芳醇な香りと味わい。2〜5年という熟成年数でありながら全くアルコール感は感じず、しっかりとした熟成感がある。想像以上に美味しかった。
どうやらシェリーカスクやシングルバレルなど、オフィシャルのラインナップは他にもあるようなので、もし手に入ることがあれば是非飲んでみたいと思います。
ちなみに、公式ホームページでは今回のボトルの価格が$66となっていて、日本で買う方が安いという謎。理由は分かりませんが、今はお得に買える状態にあるようですので、気になる方は是非飲んでみてください。