ペンシルバニアのサメ顔に対抗、というわけでもないのでしょうが、このチェザピーク・アンド・オハイオ鉄道の特徴的な流線形覆いはどことなく同じ海洋性大型動物に似てないでしょうか。残念ながら鉄道世界でクジラというと大抵はクジラの背中に似たオイル・テンダーのことを指す場合が多いのですが、このC&Oの流線型デザインこそクジラっぽいですよね。
ちなみにテンダーはホエールバック・タイプではなく通常のコール・テンダー。なんといってもあの大恐慌時代、一気に左前になった多くの鉄道会社を尻目に新しいトンネルや複線化など、地味でありながら積極的なインフラ投資を行うことで健全経営を貫いたこの社の、その主要な収入源がケンタッキー州やバージニア州で採掘された石炭を五大湖沿岸や東部沿岸に運び出すことやったからです。
そんな貨物輸送が主体のC&O鉄道の最も有名な機関車といえば東のビッグ・ボーイとも言われた巨大な「アレゲニー」タイプに止めを刺すのですが、実は1920年代後半から「チェシー」のブランドと子猫のイラストで一世を風靡した旅客輸送事業にもそれなりに力は入れていたのでした。
そして流行に後をとること戦後の46年になってやっとF-19パシフィック型旅客用機の軸配置をハドソンに変更の上、このようなクジラ型流線形カウルで覆った機関車が登場してきました。
そのうち490号機は現在もB&O鉄道博物館に保存されています。
しかし曇ったアメリカ人の目にはこれがクジラにはどうしても見えないようですね。
つづく