【京響】大阪特別公演リスト&マラ【下野+三銃士】 | Savage Salvage (AKA UЯASHIMAru)

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砂漠 音楽 秘密(笑)の趣味 
Desert Life, Classical Music, Traditional Play, Motor Cycling and a bit of Model Railroading.

ヴィスコンティの映画を、そういえば昨秋頃駅ビルシネマで特集しておった。見に行きたかったのに結局忘れたのか京都に既に居なかったのか、どっちにしても結局一本も見なかった。で、その時何をイチバン見たかったかというと、遺作「イノセント」であり残念ながら「ベニスに死す」ではなかった。美しいラウラ・アントネリが文字通り胸をはだけて今で言うところのW不倫に身悶えするあの救いようの無い疼痛。最初から最後までそれに支配された重苦しい映画的敗北感こそヴィスコンティの映画的勝利であった。つまり映画史に残る十本の一つにアレが数えられなくて何が他にあろう。いや、実はそれはベニスに死すでもよかったが、アントネリの裸の代わりにやおいというのはオレの趣味ではない。バイセクシャルな「トニオ・クレーゲル」の方がより受け入れ易いのと同じ理由。
そして白粉と口紅でまるで道化のダーク・ボガードを思い出しつつ彼の交響曲を聴くと、なんか余計キモイ。で、ソコから何を思うかというと今、都で流行りの御恩忌(ごおんき)で祀り立てられまくる親鸞。それもなんかあの団塊世代の凡庸の極みがどこか喜多郎と通じ合ってきた五木寛之あたりによって描かれるソレ(因みに京都新聞に何か連載してはるのやけど勿論読んでません)。あー寒気。つうかオレマジ病気やった。
ところで映画といえば先日下野がプレトークで触れてたんで知ったんやが、またマーラーの映画が公開されるらしい。「マーラー、キミに捧げるアダージョ」という、たしかに恥ずかしいタイトル(下野談)で、監督達は「バグダッド・カフェ」のお二人。件のバグダッド・カフェは見事に恥ずかしい砂漠のアトラクションとなり現存し、訪れれば必ず後悔するキモイ場所になっておるが、この映画もまた、きっと見終えて後悔するんやろなと知りつついつ見に行こうかと算段する浅ましいオレ。そもそも映画「マーラー」といえばこれまた映画史に燦然と残るケン・ラッセルの鬼傑作があるのに今更なんでまた凡庸な二人が撮る必要があるのか。マーラーも今年が御恩忌やからか。

下野のマーラー第5交響曲原体験はインバル/フランクフルトの例のヤツやそう。しかし今日でもマラ5録音の重要なベンチマークのひとつであると言われるその録音ではなしに、オレは何故かこの2公演彼を見ながらハイティンク/RCOの古い録音の事を考えていた。何がどうという訳は無いんやけど、まあひとつには下野の体の硬そうなアクションがハイティンクのそれと被ったんやろとは思う。両者ともにクビが無く短くずんぐりしているせいかも知らん。インバルの綺麗やけど冷静なあの感じよりはハイティンクの楽譜に素直なのになんや泥臭い情念みたいなんがこの下野からも感じたのかもしらん。
で、結局良かったんけ?どーやねん?!という事なんだが、実のところ、よく判りません(爆)
曲が曲やし、指揮者もまだまだ若いし、オケはもう極限まで鳴ってる感じで終楽章コーダなんかもう爆演と言ってええレベルに針は振り切れ、ブラボーの嵐がそれに覆いかぶさってゆくその気持ちはよく判る。やっぱこういう曲は鳴らしてナンボなところは大いにあると思う。オレも最後は2日とも、ウォーいう気持ちになったのは認める。甲子園で9回裏ツーアウト走者なし1対1同点~から掛布(ふるっ)がレフトスタンドにホームラン!みたいな気持ちよさはあった。それに京響の金管(および木管)が最強である確信も得た。しかし一方でやっぱりエモーショナルと見せかけて実はこってりとインテリな大植英次のようなマーラー観が恋しくもなった。彼にはもっと彼に協力的で技術的な問題もクリアしたオケが必要。なんか勿体なかったなあこの10年間、という思いが一方でよぎるのであった。
そういえば下野は、2楽章、3楽章で愛に喜ぶマーラーのこの恋文の結論はしかし・・・みたいな事を京都定演の時に言うておったが、そのわりにはこの後のマーラー最後のディケイドのunfortunateな日々を暗示するような演奏には聴こえんかった。淡々と思いのほか明るいアダージェット、終楽章終盤で勝ち誇るコラール、どっちかというとそれぞれ勝ち組の音楽になってたように思うんやが、オレの聞き(聴き)間違いか?(笑)

で、前半のことはすっかり忘れておったが(まあそれくらいインパクトはある罠そりゃマーラーだし)金子三勇士ちゅうこれがまた勇ましいお名前の彼!というかちゃんばらトリオが4人やのにトリオと同じように(全然ちゃうし!)三勇士といいつつ一人だけやなんて誇大広告も甚だしいが、これがなかなかの掘り出し物。彼のご母堂様はマジャール(ハンガリー)人やそうで、しかも彼が生まれたんがちょうど記念すべき第三共和国誕生の年。オレも実はその記念すべき年のまさにその新生ハンガリー誕生の日、しょぼい訳あってブダペシュト南郊約70マイル先の国道沿いで車の鍵を失くして半べそかいていた思い出がある。そんなむりくり強引な縁もあるので彼の今後には是非とも注目をしたいと思う。まだまだ若さが逸るところもあったが、そんな強引さも魅力にする勢いで頑張って貰いたい。ちなみに彼のリサイタルも10月22日(土)に決まったようなので楽しみに待ちたい。曲目リストには当然リストやバルトークといったところが並ぶ模様♪

4/24(日)
京都市交響楽団大阪特別公演
@ザ・シンフォニーホール
下野竜也/京都市交響楽団/金子三勇士
【曲目】
リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調
(アンコール)
リスト:愛の夢 第3番変イ長調
(休憩)
マーラー:交響曲第5番嬰ハ長調