ファッション業界の昨年度業績が、発表されていた。

半数以上の会社が増収増益ということで業界全体としては明るいそうだ。


ただ、意外なことに、増収の主な理由は、

 1)「メンズの好調」

 2)「アクセサリー、小物雑貨が売れている」

 3)海外販売の増加

というもので、主力の女性ファッションには光が当っていない。


一方、増益理由は、

 1)経費節減

 2)原価率改善

 3)不採算店舗の見直し

 4)海外生産シフトによる粗利の改善

というもので、販売増というより、自助努力による改善が目立っていた。


そもそも、日本のファッション産業の市場規模は10兆円程度

かつて15兆円程度あったそうだから縮小産業らしいが、規模そのものは大きく魅力的な市場である。


構造的にいうと、7割超の製品が海外からの輸入品(衣料品に限ると約9割)である。


市場のハイエンドは海外有名ブランド、低価格ものは中国をはじめとするコストの安い地域で生産されたものである。


本来、日本はこれだけの消費力をもっているのだから、それなりの世界ブランドがあってもいいと思うが、育っていないというのが業界の悩みとのこと。


比較でいうと、イタリアは145億ドルのアパレル商品を輸出(世界第2位)しているのに対し、日本は、たったの2億ドルしか輸出できていないそうだ。


コストで競争せずに、製品の高付加価値化とニッチ市場への特化で高い競争力を維持しようとする企業が育っていないということなのだろう。


この事実は、ベンチャー企業にとってはむしろチャンスであり、この市場の開拓にはチャレンジする余地がある。


そもそも、インターネットの世界はボーダレス。


新しい市場に向けて、挑戦していきたい。


今日の格言:「消費大国の強みを活かし、世界へ!」