新潟油田めぐり | URAROUTEブログ

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地理的にマニアックな場所を訪ねるページです。鉄道・酷道・険道・県境・飛地・果て・日本一(初・唯一)、無くなる前訪問など。時事ネタが理想的ですが、過去に訪れた所を記録的に残すことで精一杯であること、ご了承ください。

シルバーウィークの旅行中は風邪を引いてしまい、今週末は家でゆっくり休み、まだ完治せずの状態汗 先週末はキンモクセイが咲き乱れる秋の香りを楽しみながらサイクリングでもしたかったんですが。。。

 

そんな秋の香りに包まれる頃にお盆の記事になりますドクロ 新潟に行こうと思ったのは以前行った新潟隧道めぐり で稲穂の香る越後路を走りたかったのと、栃木県で見つけた日本石油のコウモリマーク から、日本石油のルーツや日本の石油の歴史を探ってみたいと思ったためです。

 

土曜日とお盆最終日の日曜の2日間。沼田や高坂SAあたりの渋滞を避けるため、新幹線で越後湯沢まで行って貯まっていたポイントでお得にレンタカーを借りました車


新津 石油の世界館
まずは新津にある石油の世界館。新津市も木っ端微塵に新潟市秋葉区と名を変え、跡形もないですがそれは置いといて、かつてここに金津油田という油田が存在していたそうです。ここに石油の博物館があると知ったのはつい最近のことですが、新津市街から離れていて最寄駅も普通列車しか止まらないところ、よっぽど石油に興味がない限り訪れないだろうと思うマニアックな場所ですドクロ


北越新津油田草水鉱場
明治から大正時代にかけてにぎわっていた当時の様子。今では想像もつかないです。


金津油田C3号井②
1996年まで100年にもわたって稼働していたC3号井が残されていました。当時のものなんて跡形もないと思っていましたが、大事に残されているのに感動目 周囲に漂う油のニオイが歴史をも漂わせています目


金津油田オイルタンク
保存されている石油のタンクと思しき関連施設。


金津油田ポンピングパワー1号機
続いては裏山に登ってポンピングパワーを見に行きます。この一つのモーターがテコの原理で大きな力に換え、周囲の石油井戸のポンプを動かしていたそうです。


というように当時のまま残されている石油関連施設に感動する反面、石油館に補足のように貼っていた説明書きによれば、日本国内の石油産出量は1年間100万klで、この量は国内でわずか1日半で消費される量(65万kl)という事実を知って愕然としました叫び 計算が間違っていなければ国内の消費量は1秒で牛乳パック7523本分ですかはてなマーク これを世界規模で換算したらと考えると恐ろしくなりますドクロ あと40年持つかもたないかと言われている限りある資源、大事に使わなければならないと考えさせられましたあせる


シンクルトン記念公園
続いて訪れたのは胎内市にある日本最古の石油採掘地、シンクルトン記念館。ところでシンクルトンって何かお?


日本最古の油田跡 油壷跡
石油というものがどんなものなのか知らない大昔、得体の知れない燃えて匂う摩訶不思議な液体を臭水(くそうず)と呼び、飛鳥時代には天智天皇に献上していたとされる由緒ある油田、石油はほとんど地底に埋まっていて掘って出すものですが、ここは石油が地表に出ている不思議な場所。。。駐車場の一角にも石油が地表に現れている“油壷”を見ることができます目


シンクルトン記念公園①
記念館には私一人だけ。館内は10分くらいで見られるまずまず普通の内容で一通り見て帰ろうとしたところ、スタッフの方が外へ案内してくださるとのこと。このあと第3の目的地へ急がなければならないのでとうしようかむっと思いましたが、せっかくなのでついて行ってみることに。

まずはここで採れた臭水(石油)の燃え具合を。。。 かなり煤が出ていますが当時の人はどのように使ったんでしょうか。


シンクルトン記念館 天然ガス引火
本来地底に埋まっている石油や天然ガスですが、ここは地層が褶曲してそれらが地表に出ている特異な地形のため、記念館の前に天然ガスがブクブク湧いています。スタッフの人がそのブクブクにチャッカマンを点けると目汗 なっなんとあせる 勢いよくえ出したではありませんかメラメラメラメラメラメラ叫び もうあまりの驚きでカラダが震えてしまいました目あせる


シンクルトン記念公園②ザリガニ池
続いて記念館裏へ回り、ここは油が全く出ないザリガニが生息する池で、この通路を挟んで向こう側にある池は油の出る黒い池だそうでこれまた不思議です。


日本最古の油田跡 カグマによる採油
油が染み出る池(臭水坪)でシダの一種である干したカグマを用いて当時の採油を再現。このあとは裏山に登り、今でも石油の湧き出る異人井戸と呼ばれる井戸から石油を汲み上げるところも見たりと、入場料以上の盛り沢山の実演で、日本にもこんな不思議な場所があることを知り、期待以上の収穫が得られた満足感いっぱいで後にしましたニコニコ シンクルトンとは当時採油技術を指導したイギリス人の名前にちなんでいるそうですが、日本最古の石油採掘地とわかるような名称にしてもっと多くの人に体験してもらいたいと思いましたグッド!


出雲崎 石油公園
計画では各目的地サっと見の予定で下の道で移動していましたが、どちらも見どころが多かったので長居してしまい、日本海東北道を使って第3の目的地である出雲崎に日没まで間に合いましたあせる 

石油産業発祥の地碑(日本石油 ENEOS)
出雲崎にかつてあった尼瀬油田は1891年に日本で初めて機械による石油の掘削が行われた石油産業発祥の地の碑、同じく日本石油(現ENEOS)発祥の地。栃木を走っていたときに偶然見つけた日本石油のコウモリマークと日本石油発祥の地がここで繋がったわけですが。。。目 

 

コウモリマークよりサンライズマークの日本石油が懐かしいと低レベルなことを言ってはいられませんあせるガソリンからペットボトル、エアコンなど便利と快適に浸りきり国内で驚愕の7500ℓ/秒叫びという石油が消費される今日ですが、日本の発展は石油によって支えられてきたのも事実。地球環境の観点からも今後の希望としてはしだいに石油の需要が減っていき、石油というものがかつて使われていたと懐かしむ日がくればいいですが、その過程で様々なものを犠牲にしなければならない、これは国内だけではなく世界的規模の問題で、石油のことも経済のことも疎いですがそんなさまざまことを考えさせられる一日になったのでした。。。

 



晴れたり天気雨だったり天気も石油めぐりの移動も慌ただしかった長く短い一日の終わりに出雲崎で夕日が沈む瞬間カメラ 自分だけではなく周囲からも歓声があがりました目



そのあとは地ビールとスーパーのタイムセールで購入した地魚と地ビールに舌鼓ラブラブ! 柳カレイという珍しい地魚はめちゃウマでしたけど、缶ビールのアルミを作るのに莫大なエネルギーが消費されていることや一度きりで使い捨てられてしまうパックにも石油が使われていることを考えてさせられてしまうのでした汗