山崎智也の爽快な捲り差しで今年の賞金王は幕を閉じました。

当初の売上目標165億円には届かず155億1766万5100円という結果に終わってしまいました。



しかし!中身としては本当に面白い一節だったと思います!

元々「賞金王のトライアルの殺伐さ」こそ競艇の魅力、だと感じていた私にとって今まで以上に12人から勝つことに対しての欲をそれぞれに垣間見ることが出来た点がお金を賭ける側にとっても本当に嬉しかったです。

まあ客側からすれば「こっちが命の次に大事な金賭けてんだから常にその気持ちで走れ」というのが理想ではありますがそれでは選手も身が持ちませんね(苦笑)

賞金女王の回顧の際に「コースも全く動く気配がないせいでインが起こし位置以上に楽になってイン逃げ連発」という点を指摘しましたが本家賞金王、特に今回はその逆。

トライアルで枠なりだったレースはなし、ピット離れで突き抜けたはずの今垣が6コースまで出される、ということもありましたね。

またシリーズ戦でも1号艇で油断した?西島義則から森高一真がイン強奪、というのもありました。



初日に上瀧選手会長のトークショーがあったのですが「進入が競艇の面白さのひとつ」という点を強調していました。
まあ会長本人が進入乱す人でしたから当然と言えば当然な意見なんでしょうが…(笑)

でも今回、改めてまさしくそうだと思いましたね。
特にトライアル3日目の2個レースは進入もレースも見てて本当に面白かったです。
個人的な舟券は坪井、今垣の振り込みで連続して走ってるのを交わされる結果になりましたが…
ただ進入も含めてあそこまでやってくれた、んなら清々しいハズレとすぐに割り切れましたね。

というわけで今回出場12人に関して1人ずつ触れておきます。


【山崎 智也】
やはりこの選手は「持ってる」というかそういう星の元に産まれてるんでしょうね。
3日目が5着条件、で道中6番手でここまでか、と思った瞬間に前を走ってた坪井康晴が転覆。
峰竜太も巻き込まれたおかげで4着まで繰り上がって4号艇ゲット。
タラレバの連続ですが「坪井が巻き込まれてなかったら?」「峰が上手く交わして5着だったら?」
やはり流れを引き寄せるのも大事ですがその流れをモノにするのも自分の力があってこそ。
一時期、本当にダメになって粗いレースが多くなった印象だったんですが個人的には「復活」という言葉でまとめたいと思います!


【松井 繁】
3日目の6号艇を2着でまとめた時点で本人は優勝を確信したのでは?と思っています。
周りは余計にそう思ってましたからね、で決定戦自体もレースミスしたとも思いません。
ただ「松井が持ってる凄いものとは別の凄いものを持った山崎にやられた」だけです。

今年は笹川賞で骨折したり新ペラ制度の波に少し乗り遅れた感がありましたが結局、暮れにはこの舞台にいる事自体、凄いと思うんですね。
「調子が悪い状態でも賞金王の12人に残る」「調子がいい時だけ、ではダメ」
調子の良し悪しに左右されずに常に力を発揮する、これが松井の凄いところ。
1回ポッと出で出場してその後、行方不明になる選手が多い中、96年の初出場から06年以外、毎年必ずこの舞台に帰ってくる、それだけでも松井繁の存在価値は十分あると思います。


【井口 佳典】
笹川賞、オーシャンCと夏場までにSGを2勝し今年は井口の年、と思った矢先に大スランプに。
ただ今節は十分井口らしさを見せてくれたとは思います、決定戦の2コースも含めて(苦笑)
個人的な見解ですが例えば瓜生みたいに2コースの捌きが達者な選手が決定戦2枠だったら智也の優勝も分からなかったと思います、とにかく井口の課題は2コース捌き。
なんか悪口になってますが…とはいえ、ここ数年に比べればいい一年になったと思いますし井口も年末のこの舞台にはいないといけない選手の一人、来年も大暴れしてもらいたいと思います。


【瓜生 正義】
もうこの安定感は松井と並んで艇界で双璧ですね、ただ唯一は住之江が合わないということ。
住之江での瓜生はどこかぎこちない、というか他場で見るような伸び伸び感がないというか…
まあ水面が堅いのが原因なんでしょうが住之江が瓜生の魅力を殺いでしまってるのは間違いありません。
こればかりは住之江で賞金王続く限りはどうしようもないですからね、、ただ松井の次は瓜生の時代になるんだろうな、いや、もうなってるのかな?というのを感じた一節でした。


【平尾 崇典】
チャレンジCでSG初Vでその勢いで臨んだ今節、大崩れなく決定戦まで残れていい経験になったと思います。
真価は来年でしょう、今節学んだものをどう活かすか?
初出場初決定戦でそのまま消えていった選手もたくさんいます、来年が選手人生を大きく変える一年になると思います。


【太田 和美】
今年は常に安定の一年でした、新ペラ制度が向いた一人でもあるでしょう。
今節も足は正直、劣勢でしたが1号艇の2走をキッチリ押し切って決定戦まで残りました。
簡単にキッチリ、と言いますがそれを傍からキッチリと見せてしまう安定感こそ磐石なものなんだと思います。
年齢的にも中堅からそろそろベテランの域に入りますが今年の活躍を見る限りしばらくはこの勢いは続くと思いますね。


【白井 英治】
圧巻は順位決定戦でしょう、勝利への欲を見せてくれた3周2マークの切り返しには本当に痺れました。
今節は枠的にも正直、恵まれなかった印象が強かっただけにそれで次点までこぎつけた点、SGは本当に時間の問題なんでしょうね。
この選手は1つ取れば一気に変わる気がします。


【今垣 光太郎】
事故点パンパン、前節Fと近況はリズム最悪の中、臨んだ今節。
最高のセッティングに恵まれ初日の2着、そして2日目は1号艇で「これは流れは光太郎か!?」と思っていたのですが…出足関係が仕上がりきらなかったですね。。
あとは3日目、ピット離れで突き抜けておきながら何故か?尻込み。そうしてる内にどんどんと他の選手がスローを固めて結局、単機とはいえ6コースへ、、あれほど勝ちに対して貪欲なこの選手からは理解し難かったでしたね。
来年からはB2です、がまあ今垣ならこれくらい逆境でもなんでもないと思いますね。
近いうちにこの舞台へ戻ってくると思います。


【馬袋 義則】
決定戦では正直、力差を感じずにはいられない一節になってしまいました。
ただ3日目、順位決定戦と3着で爪痕は十分残せたと思います。
また今年、総理杯を勝って時間が空いたわけですが結局ランキング6位で決定戦出場。
どうしても実績的に一般戦配分の多い馬袋からすればそれで6位に残れた、というのは大きなことだと思うんですね、また一般戦でのレース振りも総理杯を勝ってから変わった気がします。
あとは平尾と同じく真価を問われるのは来年です、もう格下にポロポロ取りこぼしてはいけない身分になったことを胸に頑張ってほしいですね。


【峰 竜太】
2年連続出場ってのは本当に価値があると思います、賞金王戦士としての安定感も最近は出てきたと思います、というのを前置きにして敢えて苦言を呈します。
今節は峰の甘さが露呈された一節だったと思います。
初日から気配は目立っていました、なので連日ソコソコの人気は背負いました。
ただ連日、雰囲気に飲み込まれてしまっていつものレースが全く出来ていませんでした。
順位決定戦も普段の峰からしたら「何やってんの?」張りの差し違え。

あとこれは峰だけに関わらず今の新鋭世代全員に言われることなんですがカッコつけて勝とうとし過ぎ。
そりゃ捲り差し決めたりツケマイで相手を沈めたりして勝てばカッコいいし本人も気持ちもいいだろう。
ただそれだけでは記念やSGでは通用しない。
要は自分の型に嵌らないとダメ、それではA1になれたとしても一般戦で優勝候補レベルまでだろう。

峰には銀河系の次の世代の先頭に立ってもらわないといけない選手、岡崎恭裕や篠崎元志と共に引っ張らないといけない。
ただその先頭がこれではちょっとこの先、思いやられる。
来年、ジックリそういう点を考えて走ってもらいたいと思う。


【丸岡 正典】
今節は全く目立たずに終わってしまった、なので本当に書くネタがない(笑)
ただ今年の丸岡は秋口から優出ラッシュ、調子も上がり加減なので来年に期待しよう。


【坪井 康晴】
今節は結局パワーの上積みが出来ずに終わってしまった、また枠も良くなかったですね。
2日目の2着なんかはさすがのハンドルだったし3日目の転覆もエンジンに力がなかったせいで波に引っ掛かってのものなので143を持ってた私も坪井を責めることは出来なかった(まあそもそもそこまでに捌き切れるチャンスいくらでもあっただろ、とは思うが…爆)



というわけで今年の記念戦線はコレで終わりました、がこのページのコンセプトは??

そう!「舟券」ですよね!
舟券は一般戦の1Rから普通に売ってますから更新は普通に続くと思います(笑)
ただ年末年始でバタバタするかと思うのでそう頻繁に、とはいかないかと思いますが住之江、尼崎の年末開催を中心にまた更新する予定ですのでまたお暇がありましたらごらん下さいませ!