本レビュー『ネット断ち』齋藤 孝 | ☆読書大好きURARA diary☆

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三度の飯より本が大好き。


  • SNSで闇バイトに釣られ、犯罪に加担してしまう若者がいて、世間を震撼させる事件が起こる。
  • 回転寿司屋でイタズラをし、平気でその模様を動画に撮りSNSにアップする。
  • 家出少女がSNSに呟き、搾取を企てる男が接触する。
ここ数週間の中でも様々なSNSから迷惑行為や犯罪が横行したニュースが報じられているが、それを齋藤 孝さんはどう見られているだろうか……落胆されてるんじゃないか…と思いながら読了した。


SNSはすぐに調べることが出来て、情報をキャッチ出来る便利な利器ではあるが、程々に使わないと人間の思考は麻痺してしまい、物事を深く考え、沈潜することが出来なくなってしまう。


この著書では幾度となく、『沈潜』という言葉が使用される。


SNSばかりにのめり込み、執着 依存すると、物事に対する見方や考え方が浅くなり、ちょっと考えれば分かるような想像力すらも働かなくなる。だから上記のような、自分が起こした浅はかな行動により、その後どれ程の人が迷惑を被るのかも想像が出来なくなることに繋がる。


何事にも、適度な距離感を持つことが大事。

SNSも便利に使い、距離も取る。

1日1時間だけでも、SNSから離れ、読書によって、偉人の作家の世界に触れたり、様々な研究を重ねてきたジャーナリストなどの賢人の価値観に触れる習慣の大切さを説いている。


素晴らしい著名なある人の講演があって、そのチケットを数百円から1000円程度で購入し、

いざ講演会の会場に入ってみると誰も来ていなくて、参加者は自分1人。

逃げることも出来ない、寝ることも出来ない。でもその素晴らしい講演を自分1人だけが、贅沢に聴くことが出来る。

それが読書だ。

人の話をずっと聴くと思えばいい。


この部分がすごく分かりやすくて、すごく胸にストンと落ちた。


昔は自分自身も、そういえばSNS依存になっていたなぁ~と読みながら反省したりもした。

SNS依存になるということは、承認欲求も高くなっていくし、精神状態も不安定になりやすい。

使いすぎるといい影響を及ぼさなくなる。

1冊でも本を多く読めば、感性が磨かれ、自分の心に浸透していく。沈潜だ。


今までは、もっと速読出来れば、たくさんの本が読めるのに、と思っていたが、

この本に出会って、

別に速くなくていい。遅くてもいいから、沈潜し自分のものに出来るほどの教養となれば、これ程お金がかからなくて、良い学びになるものはないと思った。