思いがけなく、ある方の訃報に接して。
 

【追悼 大橋史信さん】
親亡き後に挑戦した40歳からの1人暮らし体験(KHJジャーナル「たびだち」97号(2021年春季号)より)
 https://khj-h.com/news/info/9936/
楽の会リーラ(KHJ支部)での活躍後、(一社)生きづらさインクルーシブデザイン工房(IIDK)を立ち上げ、ひきこもり当事者経験を生かして家族や当事者を支援してきた大橋史信さん(43)が、2024年1月10日に病気で逝去した。


ポリフォニーさんの勉強会でお会いした時に、わたしを「お母さん、お母さん」と呼ぶ大橋さんに「ワタシはお母さんじゃありませ~ん、名前があるので名前で呼んでクダサイ」と言い返した。
機会があればまたお会いできるだろうと思っていたけど、あの時が「永久保存版」になるなんて。
 

 

その時の出会いを大切に、の意味でよく「一期一会」が使われる。
でもガンサバイバーのわたしにとって人との出会いには「これが最初で最後かもしれない」よりも、「また再び」を願うようになっていた。
 

入院することが増え、同室の患者さんと知り合うようになると、初めての入院、はじめての治療、はじめての検査に不安になって心細い思いをされているのが手に取るように分かった。
怖いですと医師や看護師に訴えても、大丈夫ですよ、頑張って、と言われるだけ。
わたしは当人じゃないので、同じような言葉をかけて励ますのも安請け合いな気がして、
いつからか「これ、お守り」と言って、自分の好きな言葉を乗せた折り紙を差し上げるようになった。
今差し上げている「お守り」には緩和ケア医の大橋先生が造られた言葉、「一期二会」。
「また再び会いたい」
誰かに、何かに、明日に。
そういう、出会いにしたい。