一反木綿

地元出身の教育者・野村伝四と民俗学者の柳田國男との共著による『大隈肝属郡方言集』にあるもので、約一反(長さ約10.6メートル、幅約30センチメートル)の木綿のようなものが夕暮れ時にヒラヒラと飛んで、人を襲うものとされる。

首に巻きついたり顔を覆ったりして窒息死させるともいい、巻かれた反物のような状態でくるくる回りながら素早く飛来し、人を体に巻き込んで空へ飛び去ってしまうともいう[4]。

ある男が夜に家路を急いでいたところ、白い布が飛んで来て首に巻きつき、脇差しで布を切りつけたところ、布は消え、男の手には血が残っていたという話もある。

出没の伝えられる地方では、子供が遅くなるまで遊んでいると「一反木綿が出るよ」と言って戒める風習もあったそうである。

また、肝付町では一反木綿がよく現れるといわれる神社があり、子供たちがその神社の前を通るときには、上空を舞う一反木綿が最後尾の子供を襲うと信じられていたため、子供たちは誰よりも先に走って通り抜けたという。