父が亡くなる1年ほど前、相談を受けました。

「俺はもうすぐ80になる。何かあったときに直葬だとか、家族葬というのは嫌だ。

普通の葬式がしたい」

ということで、父承諾のもと、葬儀社に見積もりを取り相談をしたのですが、

「葬儀保険」

というものがあると。

父としたら「母に内緒でかけたい。だからお前(私)が契約をしてくれ。」

ということで、母には一切内緒で、父の通うデイケアで保険代理店の営業さんと待ち合わせをし。

父も書類にきちんとサインをして契約を締結しました。

それが、元気な父と会うことができた最期です。

その2週間後、クラスターがすぐ近くであり、会うこと自体ができなくなりました。

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さて、昨日の続きとなります。

 

エンジェルケアが進む中、私は関係各所に電話をし、葬儀社にも電話をし。

霊柩車が1時間以内に来ると言われそのまま待ちました。

 

霊安室の中。

父の眠る横で私と母。

 

私「喪主どうする?」

母「私やるべ」

ということで喪主が母に決まり。

その時始めて葬儀保険の話をして、父の意向は伝えました。

普通に人呼んで欲しいそうですよと。

 

私「お父さんがね、前に居た会社の人たち呼びたがっていたよ。

それから同級生のあの人とかこの人とか」

母「〇〇さん(叔父)と△△さん(叔母)だけ。」

私「お姉ちゃんたちどうするの」

母「コロナだから控えてもらう」

結果、2人しか呼ばず、新聞の訃報欄にも載せないことになりました。

・・・・元々うちの母、あんまり人の話聞くタイプではないですから・・・。

父親もそれをわかって、母に内緒で葬儀の意向とか伝えてきたわけですけども。

予想をはるかに超えて、弟妹2人しか知らせないということになりました。

 

霊柩車が来たので母に乗って行ってもらい。

私が自分の車を運転し、実家に先に着くようにして。

24時間前までは父がいた実家に戻りました。

そのあたりの姉夫婦とのやりとり。

 

薬のケース…

湯呑…

メモ…

姉の息子の写真…

生活のにおいがまだする家。

 

私は涙も出ず、片付け、父の遺体を迎えたのでした。

そこから葬儀の話し合いを進め、段取りを組んだのです。