「あと、僕の場合ですが、途中で両親が亡くなったっていうのも大きかったと思いますね。前半は普通に旅行だったけれど、後半は両親に見せてあげたかったなとか、こういうことが一緒にできたら違ってたかもな…とか、なんだか一人旅だったけれど、一人じゃない…みたいなところもあったし」
彼がバッグの中から、
写真にもあった両親の写真の入ったペンダントを出してきて、
テーブルに置いてくる。
旅の間ずっとつけていたからか、
すこし汚れたり傷がはいっているけれど、
一緒に旅を回った感じは見て取れた。
「旅を通じて家族を考えたりしましたね。自分の家族、自分が育った家族をね」
彼の視線が遠くを見ている。
「そんな中で海外を巡っていて、とても楽しかったけれど、やっぱりここは自分の場所じゃないっていうのを実感する旅立ったって感じかなぁ…答えは日本にあるんだなっていうのを確認する旅立ったと思いますね」
彼が得たのは、
海外でのことというよりは、
日本を見つめることになったらしい。
続きはまた後で~☆