どうやら言葉には続きもあったようで、
『私、そんなに料理って上手じゃないし、こういうのを作れるのはすごいと思うけど、お菓子って分量も細かく量って作るから、それを考えたら細かい男って感じで、そういうのも嫌味に思えるから苦手なんで、ごめんなさい』
と断られたらしかった…
「僕としては細かいとか思ってもなかったし、喜んでもらえたらって思ってたぐらいだったから、相手に細かな点を求める気もなかったのに、そんな風に取られるってわかったことがなんだか悲しくて…それに、趣味っていうか、そういうのも否定されて、自分を全否定された感じがして…」
泣きそうな…
でも泣けないような顔つきをしていた…
「…女に振られたぐらいで、ふらついているようじゃだめなんでしょうけれどね…」
そういうと視線を私に戻し、
なんともいえない笑顔を浮かべたけれど、
どう見ても強がっているようにしか見えなかった。
「私は、これは美味しいと思ったけどな。そのチョコがどんなのかはわからないけどな…」
和菓子をつまみながら私が言うと、
「そう言ってもらえると、なんだか救われるっていうか…この間の僕が浮かばれる気がしますよ」
彼があはは…と笑ったけれど、
やっぱり笑い声は乾いていた…
でも、本当に和菓子は美味しかったのだ…
続きはまた後で~☆