「私は死にますか?」
うっすらと額に脂汗を浮かべ、
薄くなり始めた頭を、
残っている髪で渦巻き上に隠している作業員風の男性は、
紙袋を抱いてドアのところに立っていた。
(『死にますか』って、人間、そりゃあなた、いつかは死ぬでしょう…)
(その前に、こんな人でも占いに来るんだ)
今まで出張で占い師をしていたとはいえ、
定住でブースまで与えられてやる占い師の栄えある第1号の客が、
開口一番…
「死にますか?」
…で、しかもオジサンで、
更に、うだつが上がらない感じ
(あ、これは言い過ぎか、ごめんなさい(o*。_。)oペコッ)
…で、とにかく私にとってトリプル先制パンチで、
ショックを受けているにもかかわらずΣ(゜д゜lll)ガーン
私の口から出た言葉は意外にも、
「落ち着いて下さい。さぁ、どうぞ、おかけ下さい」
だったのです。
自分でもビックリΣ(・∀・;)しました。(笑)
私のいるこの占いサロンの手順として、
まずはじめにお客様に住所・氏名・生年月日を
『鑑定票』と呼ばれる紙に書いてもらうのだけど“〆(^∇゜*)カキコ♪
それを見るとこのおじさんは五十二歳。
今は定年退職して、悠悠自適の隠居生活なんだとか。