「ちょっと待って。今日こそはちゃんと話そうよ。もう3年もつきあってるんだよ。そろそろ結婚しない?」


裸の体を隠そうともせず、恥ずかしがることもなく、真顔でいうなよ。


一瞬で萎えるだろ。


「ええ?今の生活スタイルが好きなんだよ。十分満足してるし、俺に家庭的なものを求めるなよな」


やる気なくなった俺は大袈裟にため息をついてみせた。


のろのろと着替えた首周りの伸びたさえないロンTはまるで俺達の関係みたいだ。


いつものようにヘラヘラと笑ってはみたが、彼女は、皺皺の渋い顔。

正直、それ、不細工。


「こうやって抱き合うだけ。食べて飲んでその日ぐらし。いつまでもなんの責任も持たずに、遊び暮らしている生活のどこがいいの?」


「言いたい放題だな。俺、ちゃんと仕事してるじゃん。立派な社会人。それにさ、何年つきあったらその責任とやらが生じちゃうわけ?」


「も、もう……全然話にならない。いい加減すぎるよ。もっとちゃんと考えてよ」


「お前変ったなあ」


――夢が一杯あって、誰にも何にも縛られない自由奔放で、穏やかで、明るいあなたが大好き


そう言って笑ってくれたあの頃のお前はもうどこにもいないんだろうなあ。