恋をすると綺麗になれるというけれど、手に入らないもどかしい恋愛にはまってしまうと、キラキラというよりギラギラあるいはカサカサになってしまう人もいる。
たとえば、妻子ある人を好きになってしまう不倫の恋はどうだろうか。
最初は、そりゃあもう刺激的で、悲劇のヒロインになれて、何度でも味わいたくなるものなのかもしれない。
のめりこまずに遊び感覚のままでいられるのなら、楽しく愉快に気持ちいい恋といえるのかもしれない。
一方が独身ではなく、お互い既婚者同士のW不倫ならば、少しはクールに楽しめることができるだろうか。
しかし、<結婚したいなあ。してくれるのかな?相手は既婚者、この先どうなるのだろう?彼についていって大丈夫なのかな?>といつしかトキメキが不安になり、恐れになり、あげくのはては、精神的に不安定になってしまうようになると、大変である。
「お前こそが俺の理想のパートナーなんだよ。妻と結婚したのはなにかの間違いで、魔が差しただけなんだろうと思う」
「奥様と別れて私と一緒になってくれるの?」
「ああ、そのつもり。でも、結婚って二人だけの問題じゃないだろう?だからいろいろと大変なんだよ。奥さんにはもう気持ちはないし、別れたいんだけど、子どももいるし、離婚できるかどうか約束はできないんだ。でも、お前のこと愛してるから、誰よりも……」
「でも、私のせいであなたの家庭壊しちゃいけないよね。そんなひどいことしちゃいけないんだよね。でも別れたくないの、このままずっとそばにいたい。結婚なんてできなくてもいいの。こうして愛してくれればいい」
彼女の献身的なヒロイン風味は二人の愛の小道具になる。
彼は燃え上がり、力強く彼女を抱きしめ、言葉のいらない世界に突入し、甘い甘い時間をすごし、結局、話はいつも振り出しに戻る。
理想の相手だというのなら、つべこべいわずに、離婚して、さっさと、彼女と一緒になってしまえばいいじゃないかというつっこみをいれたいわけではない。
この障害のある恋によって、はっきりしない男の態度によって、どんどんストレスや不満がたまってしまい、疲れた女になってしまう人も多いのだ。
自分の顔を鏡で見て、げっそりしているようならば、意地悪質問でもして、彼とのことを少し考えてみてはどうだろうか。
奥さんとあなたで共有している彼はそんなにまでナイスガイなのか?
このまま彼といたら、あなたの望む理想的な生活が手に入るのか?
彼がいてくれれば本当になんにもいらない?
慰謝料などのお金を払ってでも、退職するようなことになっても、離婚してくれるまで待って待って待ちくたびれて若さを失うことになっても、どんなリスクをせおってでも、手に入れる価値がある人なのか?
恋なのか執着なのか。