「週末はあいてる?」


「仕事、取材であちこちでかけるの」


「またあのカメラマンと一緒か?」


「ええ、そうだけど?(二人きりなわけじゃないんだし)……なんでそんなにイライラしてるの?」


「別に」


不機嫌そうな彼を見ているのは嫌だ。


久しぶりのデートだというのに、楽しい食事がだいなしだ。


前回の海外出張の時も、「今何してる?どこにいる?誰といる?」などと、ひっきりなしに、彼から電話やメールがきた。働いているだけだというと、「連絡くらいしろよ」と怖い声が返ってきた。


信頼されていないのだろうか。


もはやこれは嫉妬などというかわいいものではない。


ギュウギュウと縛られて、行動を詮索されて、息がつまる。


やさしくて思いやりがあって尊敬できる人だと思ったのは間違いだったのだろうか?


彼の怒りが伝わってくるようだ。


こんなにもつきあいづらい人だっただろうか?


「何か気に入らないことがあるのなら、ちゃんと言ってくれる?」


「ちゃんと言えってか。君にその言葉を返したいよ。いつだって君はこっちが聞くまで何も教えてくれない、話さないじゃないか。君が何の連絡もなしに海外に行ったりしても、僕は君の心配もしちゃいけないのかい?」


話さない?そんなことはないはずだ。


でも、そういわれてみれば、私の返答はいつも曖昧なものだったのかもしれない。


彼のほうは、何かあると、そのつど、私を寂しがらせないように、心配させないようにと、しっかりといろいろなことを報告してくれていたではないか。


彼が怒ったりイライラしてしまうのは、彼が特別に嫉妬深い人ということではなくて、この私が原因だったということなのかもしれない。



なぜいつも衝突してしまうのか?


相手が嫌がることを無意識にしていないだろうか?