寂しがり屋で誰にでも優しくて優柔不断なあなただけれど、私にとっては世界一素敵な人だ。


それなのに……。


「もう俺と別れて。仕事も何もかも中途半端だし。お前を幸せにする自信なんてない」


「私はあなたと一緒にいるだけでいいのに。大好きなのに何で別れなくちゃならないの?私のこと嫌いになった?」


「なってない」


「じゃあ、なんで?もしかして、私があなたにとってふさわしくないから?もっといい子にしてればいいの?」


愛情を受け取ってもらえないのはとても苦しく悲しいことである。


どんなにあなたのことが好きだと訴えてもあなたは心を閉ざす。


「違うよ、お前のせいじゃない。どんなに自分なりに努力しても、出世するわけじゃないし、給料だって上がらない。俺といたってお前幸せになれないよ。無力で無芸でなにもいいところがないんだよ。俺はお前を愛し続ける資格なんてないんだよ」


「そんなことない。いいところたくさんある。気配りできて、優しくて、縁の下の力持ちって感じで誰かを支えたりしてるじゃない」


「慰めてくれなくていいよ」


「そんなんじゃない。あなたがうんざりするくらい、あなたのいいとこ、伝えていくから。私が落ち込んでいるときはそばにいて励ましてくれたじゃない、誰もやらない仕事を率先して引き受けたりするじゃない、誰かの幸せを涙流して喜んであげられるような人じゃない、あなたは」


「一生主役になんかなれそうもないんだぞ、俺なんか」


「俺なんか、なんていっちゃだめ」


「無理だよ。俺はお前を守るヒーローになんかなれないんだ」


「……私はあなたの顔みてるだけで守られてるって気になるんだよ。私にはあなたが持ってる本当の強さを感じることができるもの。一緒にこうして、手をつなぐだけで、安心できる。もっと私にあなたを愛させて、あなたを愛する私のこと邪魔しないで」


震える私の指先をあなたが両手で包み込む。


「こうしてるだけでいいのか。それだけで、俺はお前を笑顔にしてやれるのか?」


「そう。あなたが存在してくれるだけで私は嬉しいの」


「俺と別れてもっとすごいやつとつきあったほうがいいんじゃないのか」


「あなた以上にすごいやつなんていないよ。あなたが私を捨てたら、私はずっと泣いて暮らすしかないんだよ。だから、ずっと一緒にいてくれないとだめ」


「それでいいのか?」


「それでいいよ。……抱っこしてくれたらもっと嬉しいけど?」


しょうがないなあという風に照れながらあなたが笑う。


あなたの胸の中に顔をぼすっとあてて、ぬくもりを探す。


永遠に続く幸せがほしいと思う。


限りある命だけれど、一秒でも長くあなたといられたらと願う。


「お前はもっとよくばりになったほうがいいんだよ」


目と目が合った。


漆黒の瞳が私を穏やかにみつめている。


ああ、3年前、視線がこんなふうに絡み合った瞬間に、二人の恋が始まったのだと懐かしい思い出がこみあげてきた。


唇が触れ合い、離れていこうとしていたあなたのソウルが再び重なる。


性急なのに、決して乱暴ではないあなたの抱擁が私を愛しく思ってくれていることを伝えてくれる。


混じりあう吐息の中で、あなたがふと綺麗な笑顔を浮かべる。


ああ、その顔が好きだ。


癒され、励まされ、時に、心が熱くなる。


どうしようもなくあなたを求めたくなる。


そのような宝石のような煌きをこれからもずっとずっと見ていたいから、もっともっと私はあなたに愛を注ぐ。


あなたは自信がないというけれど、私だってそうなのだ。


こんな私でいいのかといつも思ってしまうけれど、それでも、そばにいてくれるあなたに、たくさんの感謝を贈りたい。



自信喪失している恋人へ心をこめて伝えよう。


恋人のいいところ、尊敬できるところ、感謝したいこと、できるだけ具体的に、告げてみよう。


最初はなかなか言葉さえも受け取ってくれないかもしれないが、それでも、あなたの愛を伝え続けよう。