試写会会場はちょっとした撮影会になっていた。



青に扮するのは、包帯、白装束、サマードレス姿のヒロイン谷村美月もどきちゃんであった。


腕はがんじがらめに拘束されていて、手は使えない。



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これはかなりマニア(どんな?)の心をくすぐってくれるのではないだろうかとおもってしまったのは内緒である。


マネキンなのかと思っていたら、なんと、その人は動いたのだ。


いつもの、私のチキンハートが心房性期外収縮を起こす。


貴志 祐介氏の『天使の囀り』同様に、乙一氏も語っているようにジャックケッチャム氏の『隣の家の少女』を思い出させてくれる。


後味がすさまじくよくない。


世をはかなみ寝込むこと必死である。


この憎しみ、この悲しみ、この苦しみ、この怒り、このカオスなねばついた感情を誰にぶつければいいのか。


プレスの方向けの冊子のキャッチコピーには、『何が正しくて、何が悪なのか』と書いてある。


SoundHorizonは、<Roman>というCDに入っている『見えざる腕』で、誰が加害者で誰が被害者か、犠牲者ばかりが増えてゆく、と歌っている。


ノワール好きの私ではあるが、さすがにこれは、毒虫と一緒に暮らしている気分になってしまったわけであり、楳図かずお氏の『復讐鬼人』をうっかり再読してしまったような気持ちにもなり、全てを忘れることができる呪文でも唱えたくなるほどの作品であった。


ああ、怖い、ああ、嫌だ、ああ、なんという闇、ああ、誰か助けて、である。


うまく息を吸えなくなるほどの嫌らしくすさまじい破壊力を持つ物語であった。


世の中にある綺麗なものばかりみていたい人にはおすすめできない。


とにかく、ドグラマグラも、日野日出志の『地獄の子守唄』も真っ青であった。


というわけで、なにがどういうわけなのかわからないが、レビューを書くことなど修行の足りない私には不可能な行為である。


どうせならセーラームーンのうさぎちゃんのように、メイクアップでしばし、現実逃避である。


青のメイクで遊んでみる。


試写会にかけつけてくれた谷村美月ちゃんは、可憐で美しく、女優魂を感じさせてくれる人であった。


どんなに奇怪で醜悪なメイクをされても、スクリーンの中の彼女は、すこしの透明感も失われてはいなかった。


あのヒロイン青をめざそう。


青になるには、青やターコイズや紫などが必要である。



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青は大好きな色でもあり、蒼と書くのが好きである。


さて、私の阪神(夏は甲子園球場追い出されて大変だね)ではなく、半身をどう表現しようか。



自分の影と出会うーーこのテーマはファンタジーの王道であると思う。