動画広告が圧倒していくWEB広告業界になるだろう

電通が公開しているインターネット広告媒体費の広告種別構成比ではGoogleやYahoo!といった検索エンジンで表示される検索連動型広告のシェアが最も多く、次いで様々なWEBサイトやアプリで表示される画像やテキストなどを駆使して表示されるディスプレイ広告、そして動画広告というシェアになっている。動画広告の広告媒体費でのシェアは25%弱であり無視できない規模になっている。しかし不思議なことに広告媒体費でのシェアは5%以下の成果報酬型広告を軸にしている企業で売上高が年300億円規模の上場企業はあるにも関わらず動画広告を軸にした上場企業は存在しない。しかし広告需要としては毎年伸びていてディスプレイ広告すら抜き去る勢いがある。これは当然といえば当然である。WEB広告が出てくるまでは媒体費が最も多かったのはテレビ広告である。テレビ広告は動画である。新聞やラジオから利用者がテレビに流れてきた動きと同じで動画の需要が高いのであれば当然ネットでも動画広告が注目されていくのは必然だろう。とくに動画広告が伸びているのは3rd Party Cookieの廃止の影響が少なくない。このサードパーティクッキー廃止によってディスプレイ広告の勢いが停滞し、その間隙を縫って動画広告が加速度的に勢いを増していくのは明確だろう。

 

動画広告の主軸はTikTokになるだろう

動画広告を牽引していくのがTikTokだろう。これは間違いない。もちろんGoogle率いるYouTubeショートやMeta(旧フェイスブック)率いるインスタグラムなどの動画サービスもあるのだが、利用者の趣味嗜好を的確に捉えた動画を見せていくTikTokのアルゴリズムは優秀である。広告のアルゴリズムと動画のアルゴリズムは異なるという見解については否定はしないものの、利用者が負担なく広告に接することができるTikTokは広告主にとっても魅力的であると裏本謙志は推察する。また既にTikTok売れという現象も発生しておりダンス動画というイメージでは購買が発生しないと考えられているブランディング重視の媒体というのは今は昔。すでに獲得系の広告主にとっては今取り組まないと競合他社に出し抜かれてしまうことが確定してしまうような情勢にすらなってきているというのが現状である。ネット業界でもX(旧ツイッター)のように短いテキスト中心のSNSが発達したようにTikTokのような短い動画コンテンツでしかもSNSというのは鉄板かつ最終形態とも言える。