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またやってしまった。。。
まただ。
また神さまを呪ってしまった。
また神さまを疑い、神さまに対し私刑判決を下してしまった。
それも満場一致で。
完全に有罪だった。
てゆーか、最初から決定されていたんだ、仕組まれた完璧なシナリオ。
私には味方が大勢いた。
原告は私。検事は私。陪審員は私。裁判官だって私。
対する被告の彼(神さま)には味方なんかいない。弁護士だって私なのだから。
執行猶予もなし、情状酌量の余地もなし。
はい、速攻決定。はい、速攻閉廷。はい、速攻私刑執行。神さま超びっくり。仰天サプライズ。
人間の限界たる悪魔的部分が生み出した、ていの良い上質の触媒「神さま」、逃げ場。
解ってた。
それが許されない行為だって、でも許される行為なんだって。
私は、時折、でも結構、彼を生み出し、いきなり刑を執行する。
さっき言った裁判なんてほんの一瞬だ。つか、しない。
彼に対し、思いつくままの悪態をつき、悪口を言い、ボッコボコにぶん殴る。
彼は何もせず、ただじっと耐え、嵐が過ぎるのを待つ。
それで終わり。
ホントに彼が悪いのかどうかなんて重要じゃない。
ってか悪くないんだろうけど、知らない。ただのストレス発散。ゴミ箱。
私は大して罪悪感もなく、そして平然と普段の生活に戻る。
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きっと「ホントに良い人」なんていない。
そう気付いたのは、去年の春。
中学に入学して本当に直ぐの事だったから、私の海馬が「完全に記憶してるぜ」と親指を立てて、時々私を苛立たせる。
あんなコト早く忘れるんだ。私の脳髄よ。
嫌な出来事って、なんでこんなバッチリ記録されてるんだろうか。
ある人は「成長の為」とか「人を傷つけない為」とか言ったけど。
褒められて伸びるタイプの私はどうなんだ。
元から人なんか傷つけないタイプの私はどうなんだ。
そこんとこ。
しっかり答えて貰おうか。
きっとデフォルトで物事を良い方向に考えちゃう人って、ホントに良い人なんだよね。多分。
ってゆーか、お人好し?
今の私には、どっちもおんなじにしか思えない。
だって、「お人好しだねぇ」なんて言われてたあの人が、ホント良い人だったから。
私は思う。考える。
「ホントに良い人」が実在するのかどうか、興味は無いけど、もし、いるのなら、それはその人にしか解らないんじゃないか。
だって悪い人や普通の人は、勿論自分じゃないって知ってるし、良い人がいる事を望んでる。
そして良い人って人を、「こいつだ!」って決め付けて過ごしてる。
だから真実なんて知らないし、どうでも良かったりする。
代わりに「良い人」は、実は自分が良い人なんだってある時点で気付く。
きっと周りから散々そう言われるだろうし、自分でも周りと比較して、そう結論に至る。
でも、「良い人」なので周りの存在を傷つけないよう、それを言わない。真実を遠慮する。
だから誰も真実を知らない。
知ってるけど、解らない。
しかも、もし、もの凄い徳の高い人が「ホントに良い人は誰じゃ」なんて聞くと、悪い人と普通の人の何人かが手を挙げる。
さらに「出てくれば褒美を取らすぞ」なんて言ったら、答は想像に難くない。
私は自分を結構、良い人なんじゃないかなって思うんだ。
周りから「良い人だなぁ」なんて思われるであろう事を、やってきたし、これからもやると思う。
しかも自然に出来ちゃうんだからこれはもう、良い人なんだと思わざるを得ない。
そして、周りから「良い人だなぁ」なんてきっぱり言われちゃってるんだから、やっぱり、これはもう、良い人なんだと思わざるを得ない。
ましてや私は「ホントに良い人」足るあの人の子供なんだから、これはもう、確実に、間違いなく良い人なんだと思わざるを得ない。
そういう計算だ。
「アンタ良い人なの?」
あの人に、いつかそう聞いた事がある。
「さあねーw」
そう笑い返された。
私は純粋に答を知りたかったんだ。
アンタの微笑みが欲しかったんじゃない。
あの時はそう思って、ちょっとだけグーでパンチしたけど。
今じゃ、ちょっとだけ解るんだよね。アンタ、やっぱりそうだったんだ。
私が明晰な頭脳で推理した通りじゃないか。
どう?ちょっと褒めても良くない?
ほらほら、今、私、微笑みを求めてるよ?
ん?ん?ほ~ら。来いよ。ばっち来いって。
「なーにやってんの。キモイんですけどw」
「・・・!!!ぎゃぁぁぁぁあああああ!!!」
突然、後ろから肩を叩かれ、耳元で囁かれ。
私は正坐のまま数センチジャンプするほどびっくりし、驚愕の表情で声の方へ振り向いた。
「うるっさぁ~。。。。つかこっちがびびったって」
あの人の相方が、尻餅をついて私に講義している。生意気なァァ。
私は、確かにびびったが、それは一時的なものであって、決して私がチキンだと言う事の証明には至らない。
しかも環境・条件が複雑だ。
神妙に仏壇の前に正坐し、しかも黙祷し、テレパシーを使い、霊界と交信していたのだから。
その最中に強制的に意識を戻されたのだ、ちょっとくらいびびったかのような声帯の振動が空気を震わせ音波と化したとしても。
例えちょっとくらいびびったかのような状態に身体の筋肉が緊張したとしても、全く不思議ではない。
むしろ私だからこそ、それだけで済んだが、常人以下であれば、魂が霊界に導かれ戻らなくなったかも知れないのだ。
死に至るケースもいくらか報告を聞いている。
そうなれば、お前は殺人者だったのだ。危なかった。もう一歩だった。
私が心身ともに強靭で、霊魂も凄まじく強大であって良かったな。お前は私に助けられたのだ。
さあ、輝かんばかりに私を崇拝し、敬うがいい。そして小遣いも上げろ。今月の上納金はまだか。
私が、そう詰め寄ると、あの人の相方は観念したのか、肩をすくめ。
私は、かなり凶悪なげんこつを貰った。
つづく。
Main:
=ネコ=
Thanks:
レーコ