■その壱


僕はエンタメをコヨナク愛す。
例えば本をよく読む。
大抵は小説かマンガだが、マンガは置いとくとして、小説を選び取る場合悩むコトはお前ら、ないだろうか。
僕は本屋などで、よく、悩む。


さて、何を読もう。。。


マンガなら雑誌をたまに買ったり立ち読みしたり、ネットや或いはTVなんかでも情報は溢れている。
つーか表紙で買う。
大抵600円前後だし、外れでも別に構いはしない。
何故なら、表紙・・・もとい絵柄で買うからだ。
内容や作者の嗜好を把握していれば、間違いはないだろうが、そうではないケースでも全くの外れは少ない。
少なくともマンガは僕にとって、最悪の場合でも絵のバイブルとなれば良いのである。
僕は趣味で多少絵を描くコトがあり、絵の巧いマンガはもうそれだけで新鮮な教えを提示してくれるのだ。
面白い如何は、ぶっちゃけ2の次で良い。


だが、小説はそうもいかない。
マンガとは違い、読まない限りは内容の把握はおろかソレが本当に小説であるのかすら、解析に不都合が生じるのである。


では、どう選ぶか。


大概の話、僕はどこかで見知った情報を元に、好きだと目される作者で選ぶ。
マンガの様に手当たり次第に購入をいう事は、今までの人生の中どんなに記憶をまさぐっても一度も無い。
金持ちはバカヤロウ。
もし僕に3億当たったら、確実に1億は本で消費します。すいません。


その作者からリンクを辿り、目ぼしい作者を当たっていき、本を買う。。。
と言う事の繰り返しであり、視野は狭い。本来拡がっていくべきニューロンのシナプス結合は定まらず、気づくとループしてたりもする。
友人にオススメを聞いたりもするのだが、本屋に入るとタイトルが出てこないとかそんな感じ。
そこで活用を見出したのが「なんたら受賞作」群。


ほとんど今日に至るまで、僕はそんな受賞作どもなぞ歯牙にもかけていなかったのだ。
心底どーでも良かった。
だって賞。多いじゃん。
賞が多いという事は、それだけジャンルがあり、それだけ解釈者がいると言う事でもある。
とても「=面白さ」に置換出来る等質さだとは思えない。
勿論、賞を取る事がどれだけ大変かなんてコトなんの関係もないが想像しないワケでもない。大変だろう。
つーか受賞するような作品なんて僕の趣味・嗜好とは合わないだろうと思っていたのだ。
品質の良さなんてのも、まるで気にならなかった。


僕にとって小説とは「=面白さ」なのである。
今でもそれは変わっちゃいない。
確かに勉強になる表現や描写・知識はあるが、それは先ず面白さが在って初めて際立つモノであるし、何より本分として各種資料本に勝てるワケがない。
利用のし易さにも差がある。


しかし僕はそれまでむにゃむにゃ受賞作は意識せずにいたのだが、ついに読んでしまったのだ。
面白かった。


流石受賞作。
流石呼称天才。

面白くない訳が無かったか。僕の負けだ。おのれ。
そー言ういうこともあり、僕は受賞作というレッテルを気にする事もなく本を買うようになったのだ。


・・・・。
前とあんまり変わって無いじゃん。


兎に角、受賞作マニアには御用達のマニュアルが出来上がった。


「本に迷ったら好きなジャンルの受賞作を買え」



■その弐


乙一の「ZOO」を買いました。
2冊あったのでまとめ買いだ。
本は他にも小林泰三やトマス・ハリスも買ったんです。
読んでない本が何冊かストックされていないとおててがプルプル震える僕は今日も元気です。
違う違う。


「ZOO」1の「カザリとヨーコ」を読みました。
この本の冒頭に配置されている短編なんですが中身は壮絶です。
作者の乙一は17歳でジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞し、デビュー。ファンタジー・ホラー小説界の若き俊英として活躍中。と書いてますね。成るほど。
言われるだけあって天才です。
文章運びも描き方も。
この「カザリとヨーコ」がその片鱗を見せた作品であるかどうか僕は全く関心がありませんが、そう思いました。
素晴しい。


この短編は双子の姉妹の姉ヨーコが主人公で、何故か理由は明かされませんが母から虐待を受けている話です。
妹のカザリは母に愛され、何不自由なく暮らしているのに比べ、姉のヨーコは憎まれ蔑まれボロボロの制服をまとい、台所のゴミ箱の横でペシャンコの座布団に丸くなって生活する毎日。
勿論暴力差別は日常茶飯事の怪我だらけ、味方は内にも外にもいず、ヨーコは孤独だった。
そんなある日、とある迷い犬のチラシがきっかけでヨーコに大きい味方が出来るのだが・・・。
そんなDV全開の暗いテーマなんですが、この主人公。


壮絶に明るいんです。


虐待・差別から表情や仕草・姿勢は「暗い」のそれであるようですが、精神は恐ろしく強靭で天然です。かなり最高。
笑っちゃいけないテーマで吹き出したのは、この作品が初めてです。ありえねえww


すげぇ。。すげぇよ。。。乙一。。
お前、サイコーだ。


そして主人公ヨーコに拍手。
彼女の行く先に幸あらんことを。。。


今日の本に迷った方は、これをおすすめ。
弁当を1つ買って、引っくり返しちゃったと思えば、こちらの方が人生に恩恵をもたらしますよ。お前ら。




=ネコ=


ZOO 1
\457
株式会社 ビーケーワン