思いがけない

夫からのお誘い


そのまま私は

 

夫に抱きついた


「はい… はい…」

同時にあふれる涙



 夫が私を…

 受け入れてくれた…



そんな私を
 

夫は優しく抱きしめてくれた

 

 

 

 

久しぶりの寝室

久しぶりのベッド


そして

久しぶりの夫


私は
その全てを嚙み締めた

 

 

 

その一瞬一瞬を逃すまいと

私は全力で夫を受け止める


そして夫を感じるたび

私は夫にしがみつく


全身を夫に委ねながら

全身で夫を抱きしめる

 

 

 

その全てが愛おしい



初めて私が感じる

心からの幸せな時間




 あなた…

 愛しています…

 

 

 

 

終わっても私は
夫に抱きついたまま

夫は優しく受け止めてくれている


もう離れなきゃって思うけど
離れられない


「離れたくない…」


思わず言葉にしてしまった


「うん…」


夫は優しく私の頭を撫でている

 

その優しい感触が

私の中に広がっていく

 

 

自分でも分かった

 

今 私は

 

最高に幸せな顔をしているって

 

 

思わず夫の顔を見ると

 

夫も幸せそうな顔をしている

 

 

そのまま私から夫にキス

 

 

夫は私を受け止めて

 

また優しく抱きしめてくれた

 

 

全身に広がっていく

今まで感じたこと無いこの気持ち

 

 

 

 

 そうか…

 

 これが本当の…

 

 

 こんなに幸せなんだ…

 

 

 

 

 

 

 

結局そのまま寝てしまった


朝になってリビングに行くと
娘がもう起きている


「やっぱりパパと寝てたんだね(笑)」


いたずらっぽく笑う娘

思わず娘を抱きしめた


「ありがとう…
 娘ちゃんのおかげだよ…」

 

 

 

 

 

 

別居生活は

娘が新学年になるのに合わせて終了

実家に行くときに

ママ友たちについたウソ

 

結果的にそれが功を奏して

自然に学校に戻ることができた

 

 

だけど

私のせいで
一番娘に負担をかけてしまった


でも娘は明るく

「またあの学校に行ける!」

と喜んでくれた


本当にありがとう

 

 

 

 

また私はこの街に

夫のもとに

帰ってこれた


私はちゃんと

 

夫に笑えてるかな


最初は気になったけど

 

夫の幸せそうな笑顔が

その答えだと思う

 

 

夫の笑顔を見るたびに

 

私も自然と笑顔になるんだから

 

 

 


もう間違えない


これからも私は

許してくれた夫のために


愛する夫のために生きる


夫が与えてくれたこの幸せ

 

これからは私が

 

夫に返していくんだ

 

 

 

夫と娘と

 

3人で幸せになるんだ
 

(終)

 

 

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