目覚めると真夜中
個室の外に出てみると
入店したときは
結構にぎやかだったのに
なんだかとてもひっそりしていた
ドリンクと
横に置いてあったおつまみを持って
再び個室に戻る
自分の足音が店内に響いて
言いようのない孤独感に襲われた
気が付くと
身体のあちこちが痛い
こんな薄いマットの上だもんな…
そんなところで
1人寝ている自分が情けない
アラフォーにもなって何やってんだろ…
自然と自虐をしてしまう
これからどうしようかな…
スマホを手に取る
アプリ消したから
DM系以外何も通知は無い
もともと友達は少ないし
専業主婦になってからは疎遠
相談どころか
愚痴を言う相手もいない
1人になってみると
自分が孤独なんだって
改めて思い知らされた
そんな私の
唯一の拠り所だった”家族”
それを蔑ろにするほど
なんで私はおかしくなったのか
どれだけ考えても分からない
でも現実として私は1人になった
”自業自得”なんだろうけど
なんだか納得いかなかった
そうだ…
住むとこ探さなきゃ…
スマホで検索しようとして
当たり前のことに気付いた
ダメだ…
私は無職だから借りられない
そこから仕事探しを始めたけど
事務しかやったこと無いし
何のスキルも無い
バイトならなんとかなるけど
そんな収入じゃ生きていけない
嘆いていても始まらない
とりあえず
何でもいいから応募しよう
これから
1人で生きていくんだから
個室のPCに向かい
無料フォーマットを見つけて
履歴書作成を始めた
出来上がった履歴書の
経歴欄はスカスカで特技も無い
こんなんで受かるかな…
ここのネットカフェは
途中退店OKだったので
朝になったら
荷物を預けたまま外へ
切手や封筒を買わなきゃいけないし
顔写真のプリントもいる
お店を探して
駅前商店街に向かったとき
大変なことに気付いた
…この街って
彼と会ってた街だった
万が一
彼と遭遇でもしたら
どうなるか分からない
追いかけてくるかもしれない
”早く一緒になろう”
あのメッセージが浮かんで
再び恐怖を覚えた
慌ててお店に戻り
すぐに退店して駅に行き
別の街に向かった
この街ならけっこう離れてるよね…
でも…
もしかしたら…
どこに逃げても安心できそうにない
どうしたらいいか見当もつかず
ただ電車を乗り継いでいた
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遅過ぎた後悔 本気で好きだった 身体を許す時 歪んだ猜疑心