夕方に帰宅して

そのまま仕事部屋でボーっとしていた


さっきまでの出来事が
まるで夢の中のように感じて
 

現実味が全くなかった


 それにしても…
 

 すごい感覚だったな…


身体には
まだ余韻が残っている

 

 

いつの間にか

私は自分で胸を触っていた


先端に触れてみる

すると

じんわりと
さっきの感覚が蘇ってくる


「あ…」


自然と声が漏れる

 

 

 もっと…


気が付けば
 

両手で自分の胸を弄っていた


「はぁ… あ…」


自分の手なのに
動かすのを止められない

 

そして

手を下に伸ばそうとしたとき


電話が鳴った

 

 

着信音に驚き我に返る私

夫からだった


慌てて電話に出ると夫の明るい声

「ゴメンね?まだ仕事中?」

「いや、大丈夫だよ。どうしたの?」

自分でも
ちょっと声が上ずってるのが分かった

 

でも夫は気付かなかったようで
そのまま続けた

「今日は残業かもって言ってたけど
 やっぱりそのまま残業になりそう」

「あ、そうなんだ。
 帰ってからご飯食べる?」

「ちょっと時間が読めないから
 こっちで簡単に済ませるから大丈夫」

「うん、分かった。じゃ頑張って」

 

 

電話を切って
急に現実に引き戻された


 そうだ…

 私も夫と同じことしちゃったんだ…



 浮気したんだ…

 

 

 

先輩とのSEX相談から始まって今まで


完全に浮かれていたことに
ようやく気付いた


 何やってんだ私…

 あんなに夫のことが許せなかったのに

 私がやったことって
 夫よりもサイテーなことだ…


自分も浮気したという事実に気付き
頭を抱えてしまった

 

 

 どうしよう…

 いやどうするとかよりも

 絶対にバレちゃいけない…


ただし
夫への罪悪感は微塵もなかった


 私も夫と同罪になってしまったけど…

 でも…

 

 そもそも夫が私を満足させてれば
 こんなことにはならなかったんだ

 自分の長年の謎を解くために
 起こした行動の結果だから仕方ないんだ

 これは浮気じゃない


自己防衛本能なのか
私は逆ギレして自分を正当化した


なのに自分が
SEX=恋愛のままだったことに
 

全く気付いてなかった

 

 

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遅過ぎた後悔 本気で好きだった 身体を許す時 歪んだ猜疑心

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