そこから私は
夫の浮気と今の夫婦関係を説明した


「あ~… そりゃ微妙だね(笑)
 

 この先も一緒にいるかどうか
 分からない相手じゃぁってことか」


「そうなんです。
 だから離婚したら次の相手とって」


「でもそれまでは
 嫌々ダンナさんとするんでしょ?
 

 どうせするんなら話した方がよくない?」

 

 

「いや… そうすると自然と
 夫との回数が増えるじゃないですか。


 まるで許しちゃったみたいになるんで
 それもなぁ…って感じで腹が立つ(笑)」


「確かにそれは嫌だね(笑)」

「なので、次の人まで我慢します」

「まぁそれでもいいけどね(笑)」


2人で大笑いして
話題が変わった

 

 

「そういえば先輩って今フリーなんですよね」

「そうだよ、悪い?(笑)」

「いやごめんなさい(笑)
 もうどのくらいシてないのかな~って」


「ご心配なく。ちゃんと相手はいるから」


「え?どういうこと?」


「ホント純情だね私ちゃんは(笑)
 この前言ってたのは”恋人欲しい”ってこと。
 するだけなら相手はいるよって話」

 

 

「それっていわゆる…」

「そういうこと」

「え~… そうなんですか…」


自分に関係無い世界の話だと思ってたので
こんな身近にいたのかと驚いた


「ついでだからもっと私の話ししようか。
 酔った勢いということで(笑)
 

 私はね、SEXと恋愛は別にできるの」


「えぇ!そうなんですか」

 

 

「よく女の人は心と体が連動してるから
 SEX=相手が好き、とか言うじゃない?


 言い換えれば好きじゃない相手とは
 絶対にSEXしないって」


「そうですね、私もそうです」


「でも私は初体験が早かったからなのか
 特に嫌な相手じゃなきゃ拒まなかったの。
 

 だから私は中学の頃から今まで
 SEXする人=好きな人じゃなかったのよ」


「へ~… じゃぁ、
 どんな人がSEXだけの人なんですか?」

 

 

「うまく言えないけど、
 この人ならいいかなって感じかな…


 あ、でも条件はもちろんあるよ。
 それは絶対に口が堅いこと。
 

 そうじゃなきゃ、
 言いふらされたらたまんないから(笑)」


「見た目とかは関係ないんですか?」


「まぁイケメンの方が良いけど(笑)
 キモい奴じゃなきゃ別にいいかな。
 

 だって、上に乗っかられて
 キモい顔が目の前でハアハアしたら(笑)」


「うわ想像しちゃった(笑)」

 

 

何とも下品な会話で大爆笑

すると先輩が
急に声を潜めて話してきた


「私ちゃんも… 欲しい?」


酔いも手伝ってたけど
興味津々になってた私は即答した


「気持ちよくなれるなら…」

 

 

お互いに顔を見合わせて再び大爆笑

でもここで
急に先輩が真顔になった


「もしかして私ちゃん、
 ダンナさんへの仕返しとか思ってない?
 

 だったらやめといた方が良いよ。
 

 そういう理由だと
 絶対に相手のこと好きになっちゃうから」


「あ… 大丈夫です。

 先輩に言われるまで
 ダンナのことすっかり忘れてた(笑)」

 

 

「ならいいか(笑)
 さっきのは私の経験談だから確実だよ」

「マジですか(笑)」

「じゃ、行こうか。
 いい場所を紹介してあげる」



 今思えば
 酔ってたとはいえこんな簡単に、と思う

 とうとう私は足を踏み入れてしまった

 

 

 

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