連休が近付き
お出かけ情報を目にしたとき

両親に報告していないことに
ようやく気付いた

もともと実家は離れた田舎だったので
結婚後はあまり帰省していなく

さらに両親とも放任主義だったので
ほとんど両親から連絡が来ることは無かった


 さすがに言わないといけないか…

 

 

連休を利用して帰省すると連絡

両親からは「了解」の返事だけ

いつもながら
あっさりしたものだった




そして連休を迎え
半日かけて実家に到着

「お邪魔しま~す…」

重い気持ちで実家に入ると

 


両親が待ち構えていた

 

 

「…座りなさい」

父が険しい顔で告げる
母も同じ顔でにらんでる


 え? もしかして…


両親に向かい合い
まず私は頭を下げた

「親不孝な娘でごめんなさい。
 離婚することになりました」

「うん…」

 

 

父は相槌を打ったまま黙っている


母も話し出す気配が無い


 これって私に説明しろってことだよな…


そのまま私は
離婚に至った経緯を説明した


私が話し終えると
ようやく父が口を開いた

「そうか、分かった」

「夫から連絡が来てたの?」

 

「あぁ。自分が至らず申し訳ないと
 私たちに頭を下げたよ」

「えぇ?夫が来たの?」

「突然訪ねてきてな。
 何事かと思ったら…
 そういうことかと納得したし
 私達も頭を下げたよ」

「そうだったの…
 本当にごめんなさい」

「俺達に謝ってもしょうがないだろう」

 

すると母が口を開いた

「ホントに… 何やってんのよアンタ!」

「まぁ待って。ちゃんと話を聞かないと。
 で、お前はどう思ってるんだ?」

「後悔しかないです…
 いったい何やってたんだろうって…」

「そうだな。で、なんでそんなことに?」

「すれ違いで疲れ切ってて…
 楽な方に流されたのかなって…」

 

「アンタは昔っから
 周りに流されてばかりで
 全然変わってないじゃないの!」

「その通りです…」

「俺達が言うまでもなく
 自分で分かってるんだろ?」

「はい…

 今回のことも
 私が簡単に周りを
 頼ってしまったからだと思ってます…」

ここで父と母が顔を見合わせた

 

 

「そうだな、その通りだと思う。


 お前が家を出るときにも言ったが、
 この家を出たら親に頼らず
 お前は自分の力で生きていくんだ。
 

 だから俺達もお前に干渉しない。
 

 これからどうするのか、
 どうしたらいいのかは
 自分で考え自分で責任を取ること。
 

 それだけだ」


「はい… 分かりました」


話し終えても
両親は険しい顔のままだった

 

 

「とりあえず分かった。
 今日は泊っていってもいいが
 早く帰って責任を果たしなさい」


「ホントに…

 何やってんのよ…」


気付くと母が泣いていた




ごめんなさい…

 


 

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