最大の疑問を聞いてみた

「離婚協議書の内容ですが
 どうして慰謝料が無いんでしょうか?」

「あぁ… それはですね
 私さんがお相手の配偶者から
 慰謝料請求されるだろうから
 引越費用までなくなるといけないから、
 とのご意志でそうなりました」

「それはつまり、
 早く出て行って欲しいと?」

「そういうことかと思います」

 

 

夫からの最後の優しさかと思ったけど
どうやら違ったようだった


ここで気付いた


「相手から私に、ってことは
 夫は相手に?」

「はい。慰謝料請求しています。
 もう終わってますけどね」

「じゃぁ2人とも認めて?」

「そういうことになると思います」

 

 

 あれ? ということは…


「実は今日会社に行ったのは
 この件に関してだったんです」

そして私は
上司の奥様が会社に乗り込んだことを伝えた


「あぁ(笑)
 会社まで行ったんですね。
 その奥様から
 ”私さんの住所を教えろ”
 としつこく言われたんですが
 ”守秘義務で教えられない”
 と私が答えなかったからでしょう」

 

「え?でも夫の住所は…」

そう言いかけて思い出した
夫はもう○○市に転居してるんだ

「お気付きのようですが
 夫さんの住所は今は違います。
 だから私さんを訴えたくても
 住所が分からなかったから
 そうなったんでしょうね」

「彼の奥様は…?」

「特に何も言ってきませんね」

 

 

そうだった
彼はお金はあるんだった

だから奥さんに内緒で
慰謝料も支払ったんだろう


だけど上司はそんなお金は無いから
 

奥様の知るところとなって…


「ありがとうございます。
 どうして奥様が会社に、
 と思ったんですが納得しました」

「いえいえ」

 

「ちなみに、なんですけど…
 私が奥様から慰謝料請求されるとしたら
 いくらぐらいになるんでしょうか」

「それは先方次第なので
 何とも言えませんが相場くらいなら…」

「あ、それと上司とは1回きりなんです」

「えぇ?そうだったんですか?」

ここでも私は上司との経緯を説明し
同じようにスマホの履歴も見せた

 

「あ~そうだったんですね…
 継続不倫の相場で請求しちゃったな(笑)」

「そんなに違うんですか?」

「継続かどうかは重要なので
 算定には大きく影響します」

「そうなんですか…」

「仮に私さんが請求された場合ですが、
 当事務所は利益相反になりますので
 私さんの代理人にはなれません。
 別の事務所にご相談をお願いします」

 

「いえ… 色々と教えていただき
 ありがとうございました」


弁護士さんにお礼を言って
事務所を後にした


 そっか…

 今まで考えてなかったけど
 私も慰謝料払わなきゃだな…


自分のしたことが
周囲の人を巻き込んでることを痛感した

 

 

 これからどうしようかな…

不倫がバレてから色々ありすぎて
何も考えられなくなってたけど

ようやく頭が正常に戻ってきた


だけど


これからが後始末の始まりだった

 

 

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