会社を休んでから
1か月の期限が近付いてきた
そろそろ準備しなきゃな、
なんて思ってたら
会社の方からスマホに電話が来た
「人事部ですけど
明日、会社に来れますか？」
「分かりました。伺います」
「では10時に人事部までお越しください」
ん？ なんか変な感じ…
なんとなく不穏な感じがしつつ
久々に出社して人事部に行くと
奥の個別面談室へ案内された
部屋に入り戸惑っていると
人事部長と一緒に
私の直属上司のCS部長が入ってきた
思わず立ち上がり
「お疲れ様です！」
「あぁいいから。座りなさい」
あれ？なんか嫌な予感…
「さて…
あなたに聞きたいことがあります」
人事部長が話し出す
横のCS部長は険しい顔で
私をにらんでいる
これってもしかして…
「上司さんと不倫関係なのは事実ですか？」
えぇ… なんでバレてるの…
「いや… 不倫関係というか…
上司さんとは1度だけで…」
「1度だけ？
詳しく聞かせてくれますか？」
そこから私は
上司と関係を持つに至った経緯を話した
もちろん自分の不倫は伏せて
「ふむ… 本当にその1度きりですか？」
「はい。何度もお誘いは受けましたが…
事故のようなものだったので
その後は一切お断りしてました」
そう言いつつメッセージのやり取りを見せた
履歴を見た両部長の顔が
さらに険しくなった
そして2人で顔を見合わせている
しばらく考えた後
「よく分かりました。
改めて連絡しますので
しばらくは自宅待機でお願いします」
と人事部長に告げられた
どうなっちゃうんだろう…
なんでバレたんだろうと思いつつ
そのまま帰宅しようとしたら
部下にばったり遭遇した
「あ、私さん！お疲れ様です」
そう言いながら
足早に去ろうとする部下を捕まえて
「ちょ、ちょっと待って。
私が休んでる間に何があったの？」
思わず問い詰めてしまった
「いや… その…」
「あなたから聞いたって絶対言わないから。
お願い。教えて」
「えっと…」
渋る部下から何とか聞き出した
どうやら上司の奥様が
私との関係を知って
会社の人事に乗り込んだそうだ
キツイ取り調べを受けた上司は自白し
今は自宅謹慎になっているとのこと
それで理解した
あの画面を見た時の反応は
上司の言い分と違うものだったからだろう
おそらく
「自分は誘われただけだ」
とでも言ったんだろうな
やっぱクズだなあいつ…
「教えてくれてありがとう」
「いいえ… あの… 私さんは…」
あ、そうか
経緯はともかく私も同罪だった
「心配かけてゴメンね」
そう言って
今度は私が逃げるように去った
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遅過ぎた後悔 本気で好きだった 身体を許す時 歪んだ猜疑心
