矛盾した気持ちを抱えながら
私は休みが来ると
彼に会いに行った
彼はいつも優しく
私を受け入れてくれた
「君の気持ちが安らぐんなら
俺はいつでも会いに来るよ」
そんな言葉に甘え続けた
私の話を聞いてくれるし
体の隅々まで癒してくれる
激しくはないけど
とても優しい彼のSEX
ゆっくり だけど何度も
私を頂点に誘ってくれる
いつまでも抱かれていたい
そんな気持ちにさせてくれる
彼と会った後の私は
とてもスッキリしてるのが
自分でも分かった
たぶんそのおかげで
夫との時間も
無理に楽しもうとすることなく
自然体で過ごせるようになった
以前はまるで”義務”のようだった
2人でのお出掛けも無くなり
ただ夫と一緒にいるだけで
満足するようになった
夫も私の変化に気付いたようで
私との時間を過ごすために
いつも追い詰められているようだったのが
とても穏やかな表情になり
2人の休みが重なっても
ゆっくりした時間を
一緒に過ごせるように
2人の会話も
とてもおだやかになった
ようやく愛する夫と
普通の生活を過ごせるようになった
だけどそれは
私が夫を裏切って得た
彼との満たされた時間によるもの
決して
許されるものではない
頭では分かっているけど
私はその矛盾から
目をそらし続けた
夫と彼
両方からの幸福
そのどちらかを捨てることなんて
私には考えられなかった
”いつまでも続けられるわけがない”
分かっているけど私は
この生活を1年以上続けた
”できることならこのままずっと”
偽らざる本心だった
だけどそんな私はもう30半ば
さすがに”子供”というキーワードが
私に投げかけられるようになり
夫も
「そろそろ… どう?」
と言ってくるようになった
だけど私は
今の生活を手放せなかった
夫にはあやふやな返事で
ごまかし続けていたけど
なんとなく
夫が不信感を持った気がした
それに気づいたけど
今までのように
私は先送りし続けた
なぜここで
終わらせられなかったのかな…
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遅過ぎた後悔 本気で好きだった 身体を許す時 歪んだ猜疑心