しばらくたって
 先輩から連絡が来た

 


「いい情報があるから教えてあげるね(笑)
 あの2人クビになったみたいよ」

「えぇ!だって会社に言わないんじゃ…?」

「それがね…」

 


 なんと

 会社から先輩に連絡が来たそうだ

 

 

 どうやらあの2人
 いろいろと社内でも問題児だったようで
 人事もマークしてたそうだ

 そこに弁護士が訪問してきて
 慌てふためく社員さんの姿を見て
 受付が人事に報告

 人事は先輩に経緯を話してくれるよう依頼

 もちろん守秘義務で詳細は言えないけど
 訪問目的は伝えても問題ない

 

 

 社員さんの告訴と取り下げを知った人事は
 本人にキツイ尋問

 インターン学生に手を出した事実と
 それをそそのかした事実も明るみに

 


 OGは最後まで「知らない」と抵抗したけど
 そのやり取りを社内メールでもやってたから
 サーバーから復元されてOUT

 正確には「クビ」じゃなく
 「自主退職」となったとのこと

 

 

「はぁ… なんか因果応報って感じですね」

「ホンとそうだね(笑)
 でね?連絡したのはOGのこと」

「まだなにかあるんですか?」

「あんなヤツだから逆恨みして
 アンタや彼のとこ行くかもしれないでしょ
 だから何かあったら連絡してね!
 お仕事ちょーだい(笑)」

「確かに(笑)
 その時はよろしくお願いします!」

 

 

 神様いるのかなって感じた

 


 自分が悪いのは当然だけど
 あのOGも許せなかったから

 

 かなりスッキリした
 

 


 だけど

 

 

 

 それからの私は


 抜け殻のように
 何も考えられず

 


 部屋に引きこもってしまった

 

 

 

 

 キャンパスには

 彼との思い出がいっぱい

 

 とても大学に行く気になれない

 

 

 


 頭の中に浮かぶのは

 

 彼のことだけ…

 

 

 

 

 

 彼と最後に会ってから
 ずっと彼を求めている

 無理だって分かってるのに
 彼を待っている

 スマホを握りしめて
 彼の着信を待っている

 

 

 思い描いていた彼との未来

 何度も何度も想像してしまう

 


 だけどそのたびに
 自分の犯した罪で苦しくなる

 彼を裏切った自分が許せなくて
 怒りが沸いてくる

 彼への申し訳なさで
 何も考えられなくなる

 

 

 立ち直れる日なんて来るのかな…

 そんなことも浮かぶけど
 それもこれも全て自分のせい

 


 誰のせいでもない

 


 私の自業自得

 


 この先どうなるか分からないけど

 

 また誰かと付き合うなんて考えられないな…

 


 そもそもこんなことしでかした私に

 

 そんな資格なんて無いんだ…

 

 

 

 私自身が受けた傷は
 思っているより深いみたい

 だけど

 私は被害者じゃない

 それを勘違いしないようにしよう

 


 いつの日か

 

 私が前に進めるまで…





(終)

 

 

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